<暗礁に乗り上げている中東和平交渉の再開に向けて、アメリカのケリー国務長官は、パレスチナ側の要求も一部、受け入れた新たな提案を示しましたが、パレスチナ側は、提案が実行される確約が必要だと難色を示し現時点での交渉の再開には至りませんでした。
3年近くにわたって中断している中東和平交渉の再開に向け、アメリカのケリー国務長官は、今週、パレスチナ暫定自治政府のアッバス議長やアラブ諸国の代表らと相次いで会談しました。
この中で、ケリー長官は和平交渉の再開に向けた新たな提案を示し、これを受けてパレスチナ側は18日、幹部を集めた緊急会合を開きました。
出席した幹部によりますと、アッバス議長は、ケリー長官の新たな提案についてイスラエルによる占領地での入植活動の停止などを交渉再開の前提とするパレスチナ側の要求を一部、受け入れた内容だったと説明し、これを受け入れる意向を示したということです。
しかし、ほかの幹部からは、提案が口頭での約束にとどまり実行される確約がないことに難色を示す意見が出て「出席者の多くは否定的だった」ということです。
このため、今後もパレスチナ内部で話し合いを続けるとして、現時点での交渉の再開には至りませんでした。
ケリー長官は、ことし9月の国連総会までには何らかの進展を見いだしたいとして異例の頻度で現地への訪問を繰り返しており、交渉再開に向けた模索が続いています。(NHK)>
杜父魚文庫
13362 中東和平交渉 新提案も再開に至らず 古澤襄

コメント