<民主党の細野豪志幹事長は23日、党本部で記者団に対し「参院選惨敗の結果を誰も取らないことはあり得ない」と述べ、8月末で引責辞任することを明らかにした。海江田万里代表は現執行部体制を維持するため慰留したが、細野氏が応じなかった。「ナンバー2」の離任により、海江田氏の求心力低下は避けられず、代表の進退問題に発展する可能性もある。【笈田直樹、高橋恵子、光田宗義】
◇菅、鳩山氏の処分検討
細野氏は23日、党本部で役員会に出席し、正式に辞意を表明。出席者からは「結果は予想の範囲内で、責任を取る必要はない」など続投を求める声が大勢を占めたが、細野氏は「結果に対して責任を負わなくてはいけない」と主張。役員会後、海江田氏が重ねて辞意撤回を求めたが、細野氏は拒否した。
その後、細野氏は記者団に対し、辞任の理由について「参院選で獲得議席が17にとどまり、東京選挙区で勝利させることができなかった。二つの責任は私にある」と説明。8月中に参院選総括を行う方針を明らかにした上で、「民主党は解党的出直しが必要だ。さまざまな課題や出直しの方法を代表らと協議していきたい」と語った。
細野氏が幹事長辞任を押し切ったことで、続投に意欲を示す海江田氏の責任問題も再燃した。細野氏自身は22日、海江田氏に対し「続投するなら、代表選を行うべきだ」と主張。中堅議員は「細野氏は『泥舟』から逃げ、執行部も党内をまとめ切れなくなる」と語り、党内で「ポスト海江田」を巡る動きが始まるとの見通しを示した。
一方、民主党は23日の役員会で、参院選東京選挙区で公認を取り消した無所属候補を支援した菅直人元首相に対する処分を検討する方針を決めた。菅氏は無所属候補の応援演説なども行っており、党東京都連は「反党行為」として、菅氏の厳正な処分を求めていた。
役員会では沖縄・尖閣諸島について「中国側から『日本が盗んだ』と思われても仕方がない」と発言した鳩山由紀夫元首相に対しても、「参院選で党への逆風を招いた」として批判が相次いだ。鳩山氏はすでに党籍を離脱しているものの、何らかの処分を検討することを申し合わせた。(毎日)>
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