13437 菅氏処分で混迷深まる=海江田氏、威信失墜  古澤襄

<参院選で惨敗を喫した民主党の混迷が24日、さらに深まった。海江田万里代表ら執行部は常任幹事会で党公認を取り消した無所属候補を支援した菅直人元首相の除籍(除名)処分を求めたが、菅氏や常幹メンバーからは異論が噴出した。続投を目指す海江田氏にとり細野豪志幹事長の辞任に続く誤算で、海江田氏の威信は失墜。党再生への道筋は一向に見えない。
「身の処し方がある。身を引いてもらいたい」。海江田氏は24日昼、菅氏を都内のホテルに呼び出し、自発的な離党を迫った。しかし、菅氏は「受け入れるわけにはいかない。党をやめる気はない」と突っぱねた。
海江田氏はこの後、党本部に向かい、党の意思決定機関である常幹に出席。常幹メンバーでもある菅氏の面前で「菅氏の言動に厳しく対処すべきだ」と提起、細野氏に菅氏を除籍とする処分案を説明させた。
しかし、同調したのは長島昭久前防衛副大臣ら一握りだけ。菅氏に近い江田五月元法相が「処分が重過ぎる。万引きで懲役20年を食らうようなものだ」と主張すると、他の出席者からも「処分はおかしい」「公認取り消しは越権行為だ」と反対が相次いだ。
菅氏は「党に迷惑をかけたことは申し訳ない」と陳謝はしたが、除籍処分については納得せず、最後は海江田氏も「もう一度処分を練り直す」と引かざるを得なかった。
民主党は2月の党大会で、昨年の衆院選での敗北を「党内を治めることさえできない集団との評価が定着し、国民の期待が失望に変わった」と総括した。海江田氏が元首相の除籍という異例の処分を求めた背景にも、「決めたことを守れない政党」との評価を乗り越えたいとの思いがあった。
しかし、その決断は、皮肉にも党の「バラバラ感」(海江田氏)を改めて露呈。海江田氏自身の求心力不足をさらけ出す結果になった。
処分をめぐる混乱を受け、海江田氏の進退を問う声も公然と上がった。海江田氏は常幹で、自身の続投を前提に「アベノミクスは早晩行き詰まる。政策調査会の下に『暮らしを守る力になる研究会』を設けたい」と提案したが、小川淳也元総務政務官は「代表選で信を問うべきだ」と体制刷新を迫った。
菅氏の処分問題をきっかけに、党内では「右派が左派を党から追い出そうとしている」(ベテラン)などと不信感も渦巻き始めた。出口の見えない窮状に、党内からは「分裂や解党の可能性もある」(中堅)と悲観的な声も出ている。(時事)>
杜父魚文庫

コメント

  1. TAKAO より:

    「それでは、私が辞任する」といい、辞表を、常幹に提出して、退場すればいい。
    江田ごときに、キャスチングボートをわたすべきではない。
    江田は、父親とくらべて、相当に、程度が低い。
    さかいたかお

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