13445 「海江田降ろし」仕掛ける細野氏 みんな・維新と再編照準  古澤襄

<続投を表明した民主党の海江田万里代表と、8月末に辞任する細野豪志幹事長が暗闘を繰り広げている。24日の党常任幹事会(常幹)では代表選実施を求める声が上がったが、これを主導してきたのは細野氏。代表選実施派はその先に、みんなの党などとの野党再編を見据える。海江田氏は党分裂につながりかねない野党再編に消極的で、「海江田降ろし」と野党再編がリンクする形で党内の亀裂が深まろうとしている。
 ◆代表選求める声
海江田氏「ご自身の身の処し方があるんじゃないですか」
菅直人元首相「党を辞める気はない」
常幹に先立つ24日午前、海江田氏は都内のホテルで菅氏と会談し、参院選で党の方針に反して無所属候補の支援に回ったことを理由に、自発的離党を促した。
海江田氏は菅氏の処分問題の決着を急ごうとした。参院選の“敗戦処理”が長引けば、代表である海江田氏の党内基盤は弱体化する。それどころか、敗戦の責任問題が自身の責任論に飛び火すれば、党内に代表選実施を求める声が高まりかねない。
一方、細野氏に近い議員は、一気に海江田氏の責任論を俎上(そじょう)に載せようとした。常幹で「党のためにもご自身のためにも、進退について体制刷新に向けて決断をお願いしたい」と代表選実施を直訴したのは細野グループに属する小川淳也衆院議員。海江田氏は「自分の進退は自分で決める」と辞任を拒否した。
◆勉強会を模索
この日の会合では代表選実施論は大勢にならなかったが、菅氏への厳重処分と代表選実施が見送られれば、これを口実に細野氏らが離党し、再編に動き出す可能性がある。
実際、細野氏は23日、記者団に再編に積極的な姿勢を示しており、参院選投開票日の21日夜には、みんなの江田憲司幹事長と日本維新の会の松野頼久国会議員団幹事長と都内で会談している。3氏は来週にも会談し、野党再編に関する勉強会の立ち上げに向け意見交換する方針だという。

江田氏が渡辺喜美代表の党運営に反発し、25日に開催する両院議員総会で党内統治について問題提起しようとしているのも、維新との合流を拒否する渡辺氏とたもとを分かつためとの見方は強い。
 ◆橋下氏の思惑
維新の橋下徹共同代表(大阪市長)は24日、大阪市役所で記者団に野党再編について「国会議員で新しい政党をつくったらいい。(自分は)国会議員ではないから参加できない」と述べたが、「主導権争いとか、くだらないことをやると、まとまらない」とも主張した。あえて一歩身を引くことで、再編を軌道に乗せる-。橋下氏の発言からはそんな思惑がちらつく。
もっとも、江田氏は23日の記者会見で「橋下氏は旧太陽の党と一緒になったことで維新が伸び悩んでいる現実を見極めないといけない」と基本政策の違いから自民党出身者が主体の“旧太陽切り”を促した。
民主、みんな、維新の中にいる再編論者の歯車がかみ合った瞬間、再編は一気に動き出す可能性が大きい。(産経)
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