日本の選挙結果へのアメリカの反応です。新聞の論調だけを紹介しています。
日本の集団的自衛権の解禁はアメリカ側では民主党、共和党の区別なく、一致して、求めるようになっていました。ところがアメリカの新聞はその解禁にも反対のような構えをみせるのです。
まあメディアだから、ご自由に論じてください、ということになりますね。
<<自民党の大勝利を米国メディアはどう伝えたのか 中韓への配慮? 安倍首相の「ナショナリスト」ぶりを警戒>>
特に日本の集団的自衛権の行使禁止を解除することは米国の議会や政府の代表たちも、陰に陽に、日本に求めてきた。特に米側の国防関係者たちの間では 日本の集団的自衛権の行使禁止は日米共同防衛を弱くする大きなブレーキとして、1日も早く解除することを求める声が絶えなかった。ちなみにこの解禁は憲法 のいまの解釈を変えるだけで、手続きとしてはごく簡単にできる。
さらに言うと、アジアの安定、日米同盟の健全性などについては、米国が大きな責任を担っているはずである。米国の責務やリーダーシップを棚に上げ て、日本だけに自制を求める。韓国や中国には対日政策の修正を求めない。そんな主張は日本にとって不公正であり、米国の最近の弱さを反映していると言うし かない。安倍政権が当然、反論すべき種類の対日要請である。
ちなみにこのワシントン・ポストの短い社説のすぐ上には米国の大統領が困っていることを示す漫画が載っていた。星条旗の模様の洋服と帽子をつけた 大統領らしき人物がイスに座って、「どのように統治をすべきかを思い出せなくて困ってしまった」と語っている図柄だった。オバマ政権の最近の山のような内 憂外患、国内での混乱、対立、スキャンダル、そして世界各地域での影響力の減少、指導力の喪失などを意味する政治漫画であろう。
日本についての社説の隣にこんな漫画が掲載されたのは偶然だろうが、米国はいま困りきっているから、日本はなんとか安定を保ってほしいと請い願うようなメッセージが滲んでくるようだった。
■日本がアジア地域で孤立する恐れ
最後にニューヨーク・タイムズの報道を見てみよう。
まず第1面にニュース記事の冒頭が短く載っていた。見出しは「日本で首相の政党が大きく勝利」と記されていた。次の見出しは「経済のより速い改革への進路が敷かれた」と書かれていた。
記事はまず日本の衆参両院の「ねじれ」が解消されたことで、安倍政権は近年にない政策実行の権限と自由とを持つことになる点を特に強調していた。
そのうえで次のような記述があった。(つづく)
杜父魚文庫
13456 アメリカは日本の集団的自衛権の解禁を求める 古森義久

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