13508 中東和平 9か月以内の合意を  古澤襄

中断していた中東和平交渉を巡り、イスラエルとパレスチナの代表が、アメリカ政府の仲介で会談し、今後、9か月以内の和平合意を目指して、およそ3年ぶりに交渉を再開することで一致しました。
ワシントンで30日まで2日間にわたって行われた協議は、ケリー国務長官の仲介で行われ、イスラエル側からリブニ司法相、パレスチナ側からはアッバス議長の側近のアリカット氏が出席しました。
協議のあと、ケリー国務長官はイスラエル、パレスチナ双方の代表とともに記者会見し、「今後9か月以内の合意を目指したい」と述べ、およそ3年ぶりとなる交渉の再開で一致したことを明らかにしました。
そのうえで、次の協議は2週間以内にイスラエルかパレスチナ暫定自治区で行われるとしています。
今回の協議について、リブニ司法相は「われわれは過去を議論するのではなく、未来に向けた解決を探り、決定を下したい」と述べ、交渉に意欲を示しました。
また、アリカット氏は「和平合意に向けてすべての議題が例外を設けずに話し合われることを歓迎している」と述べ、今後の協議の進展に期待を示しました。
しかし、中東和平交渉は、イスラエルによる占領地での入植活動を巡る対立で、前回の2010年には、わずか1か月で中断しているうえに、聖地エルサレムの扱いや将来のパレスチナ国家の国境線など、主要な争点で双方が鋭く対立しています。
このため、アメリカ政府が仲介を続ける交渉は今後、難航も予想されます。

■米交渉引き続き支援へ
アメリカのオバマ大統領は、30日、ワシントンで、イスラエルとパレスチナ双方の代表と会談し、和平交渉の再開に向けた指導力と勇気に感謝の意を示しました。
そのうえで、オバマ大統領は「今後、やるべきことがたくさん待ち構えている」と述べ、アメリカ政府として、交渉の進展を引き続き支援していく考えを伝えました。
■中東和平交渉とは
中東和平交渉は1948年のイスラエル建国に伴って、土地を追われたパレスチナ人や周辺のアラブ諸国との紛争を解決するための交渉です。
その中心にあるのが、占領下にあるパレスチナ人が独立した国家を樹立し、イスラエルとパレスチナという2つの国が平和的に共存していくことです。
和平交渉は、1993年の暫定自治合意、いわゆるオスロ合意で大きく前進しました。イスラエル軍はヨルダン川西岸やガザ地区から段階的に撤退を始め、パレスチナ側は暫定的な自治を始めました。
しかし、最終合意間近とされた2000年のキャンプデービッド会議は、聖地エルサレムの扱いなどを巡って決裂し、その後、パレスチナではイスラエルに対する武装闘争を掲げるイスラム原理主義組織ハマスが台頭しました。
暴力の連鎖が激しさを増すなか、イスラエルはパレスチナ人の移動を妨げる分離壁の建設や、占領地にユダヤ人のための住宅を建設する入植活動を進めていきます。

和平交渉は2010年9月にいったん再開されましたが、入植地の拡大にパレスチナ側が反発してわずか1か月で中断し、その後、3年近くにわたって暗礁に乗り上げた状態が続いてきました。
和平交渉の主なテーマは、将来のパレスチナ国家の国境線をどこに引くのかや、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地であるエルサレムを誰がどのように統治するのか、それにイスラエル建国とともに難民となったパレスチナ人が故郷に帰る権利う保障するのか、などで、いずれも双方の主張が鋭く対立しています。
このため、およそ3年ぶりとなる和平交渉は再開されても険しい道のりが予想されています。
(NHK)>
杜父魚文庫

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