<日米両政府は、オバマ米大統領が2014年春にも日本を公式訪問する方向で調整に入った。日本政府関係者が31日明らかにした。
安倍晋三首相の招請に応じたもので、政府は国賓として迎えることを検討している。中国が経済・軍事両面で台頭するなど東アジアの安全保障環境が大きく変化していることを踏まえ、首相は日米首脳会談で同盟強化を確認したい考えだ。
オバマ大統領が来日するのは、横浜市で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会合の際の10年11月以来3回目で、安倍政権発足後は初めて。国賓として来日すれば、1996年のクリントン元大統領以来となる。
首相は2月の施政方針演説で、中国の海洋進出を念頭に、日米両国がともに「海洋国家」であると指摘し、同盟関係について「不断の強化が必要だ」と強調。米政府は中国が領有権を主張する沖縄県・尖閣諸島が日米安保条約の適用対象になるとの立場を示しており、首相としては日本で行う首脳会談を対中けん制の場としたい考えだ。
首脳会談では、北朝鮮による拉致・核・ミサイル問題への対応や、日米間の懸案である米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設を含む沖縄の基地負担軽減も主要議題になる見通し。通商政策では、日米を含む関係国が年内妥結を目指している環太平洋連携協定(TPP)交渉についても、進展状況に応じて意見が交わされるとみられる。
政府関係者によると、首相は6月13日の大統領との電話会談などで来日を繰り返し招請。7月26日に外遊先のシンガポールでバイデン副大統領と会談した際も、日本側から大統領訪日を要請したという。具体的な訪日時期は、来年秋に米国で中間選挙が行われることから、「来年春から初夏の間」で調整が進められている。(時事)>
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13515 米大統領、来春訪日=同盟強化確認へ 古澤襄

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