13517 大統領訪日、参院選勝利で調整入り=経済再生に高評価-オバマ米政権  古澤襄

【ワシントン時事】米政府が2014年春にもオバマ大統領の日本訪問を実現させる方向で調整に入った。これまで事実上たなざらしとなっていた訪日へかじを切ったのは、安倍晋三首相が経済の再生を進め、参院選の勝利により安定した政権基盤を築いたのを高く評価したためだ。
大統領は今年2月にワシントンで行われた首相との初会談で訪日を招請され、「日本は大好きな国だ」と前向きな姿勢を見せた。ところが、具体的な日程調整は停滞。
日本側が希望した今年10月のインドネシア・バリ島でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせた訪日も、ホワイトハウスは「都合がつかない」と難色を示し、早々に立ち消えとなった。
大統領の訪日は民主党政権時代の10年11月が最後。日本で1年程度の短命政権が続いたために首脳同士の信頼関係を十分構築できず、米側は最重要課題の経済と安全保障の両面で期待した同盟深化が掛け声倒れとなっていることにいら立ちを募らせてきた。
実務家肌と言われる大統領は、具体的な課題で着実に答えを出す外国首脳を好む傾向がある。残りの任期は3年半。これまでは首相の力量を見定める段階だったが、参院選圧勝で今後3年程度の政権運営に目星を付けたことで、アジア重視戦略の要と位置付けた日本との関係強化を実際に進めるタイミングと判断したもようだ。
頻繁に行われるホワイトハウスでの首脳会談と比べ米メディアに注目されやすい外遊は、成果がなければ批判を浴びる恐れが強く、「大統領周辺はいつにも増して神経質になる」(元米政府高官)という。14年11月には中間選挙を控える。首相への期待値を上げただけに、米側は国内で関心の高い経済分野を中心に目に見える結果を残そうと全力を注ぐとみられる。(時事)>
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