13552 「イスラエルは消え去るだろう」  古澤襄

イランでは、核開発問題などを巡って対立するイスラエルやアメリカを非難する大規模なデモが行われ、この日が任期最後となるアフマディネジャド大統領が「イスラエルは消え去ることになるだろう」と演説し、最後まで激しい対決姿勢を示しました。
イランでは、イスラム教の断食月ラマダンの最後の金曜日を「エルサレムの日」と定めており、パレスチナの占領を続けるイスラエルや、イスラエルを支援するアメリカを非難するデモが2日、各地で行われました。
このうち、首都テヘランの中心部には、イスラム体制に忠実な民兵組織バシジを中心に数万人が集まり、「イスラエルとアメリカに死を」と叫びながら町なかを行進しました。
このあとの金曜礼拝では、この日が任期最後となるアフマディネジャド大統領が演説し、「欧米諸国は中東でさまざまな陰謀を画策してきたが、それが大きな嵐を呼び起こし、イスラエル自身が消え去ることになるだろう」と述べ、最後まで対決姿勢を示しました。
イランでは3日、8年間、任期を務めた保守強硬派のアフマディネジャド大統領に代わって穏健派のロウハニ氏が次の大統領に就任します。
核開発問題などを巡ってアメリカやイスラエルと激しく対立してきたイランが、ロウハニ新政権の下で国際社会との関係を改善することができるのか、注目されます。
■過去にも過激な発言
保守強硬派のアフマディネジャド大統領は、敵対するイスラエルやアメリカに対する過激な発言で物議を醸してきました。
2005年の就任直後には、イスラエルに対して「地図上から消し去る」といった趣旨の発言をしたと取りざたされ、さらに第二次世界大戦中に起きたユダヤ人の大量虐殺ホロコーストをイスラエルによるねつ造だとした発言も国際社会の強い反発を呼びました。
また、ニューヨークの国連総会の演説では、同時多発テロはアメリカが中東地域を支配するためにたくらんだ自作自演の可能性があると述べ、欧米側の外交団が議場から一斉に退席して抗議の意思を示す場面も見られました。
アフマディネジャド大統領の過激な発言は、イスラエルやアメリカへの反感が根強い保守層から、一定の支持を得てきましたが、その一方でイランの核開発に対するイスラエルや国際社会の警戒感を高め、イランに対する経済制裁の強化や軍事的な緊張を招きました。(NHK)>
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