【ソウル=黒田勝弘】韓国の朴(パク)槿恵(クネ)大統領は5日、大統領秘書室長と首席秘書官4人の人事を発表した。新しい秘書室長には検事総長、法相を歴任し、国会議員を3期務めた保守派の長老、金(キム)淇春(ギチュン)氏(73)が起用され、これまで空席だった政務首席秘書官に外交官出身で知日派として知られる朴●(=日へんに俊のつくり)雨(ジュンウ)氏(60)が任命された。
首席秘書官は大統領側近として閣僚以上の権限を持つが、今回の人事ではこのほか民情、未来戦略、雇用福祉の首席秘書官も交代した。2月にスタートした朴槿恵政権にとっていずれも重点課題のポスト。本格的な政策推進に向けた人事刷新とみられている。
日本にとって注目されるのは朴●雨・政務首席秘書官。外交官時代は日本課長やアジア局長など日本関連の勤務が長く外務省きっての日本通といわれた。駐シンガポール、欧州連合(EU)大使を歴任し一昨年、退官した後、駐日大使候補にも挙げられていた。
日本語は完璧で日本に知己が多く日本側では「突っ込んだ話ができる人物」として評価が高い。政務秘書官は大統領官邸と政界との関係調整が主な任務だが、朴政権の対日関係が注目されるなか、ソウルの日韓関係筋では朴●雨氏の役割に期待が強い。
また金淇春秘書室長も国会議員時代に韓日議員連盟副会長を務め現在、韓日親善中央協会副会長でもある。日本語が堪能で日本に対しては親近感があるといわれる。朴●雨・政務首席秘書官とともに今後の朴槿恵大統領の“対日姿勢”への影響が注目される。(産経)
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13577 側近に知日派を起用 朴大統領、秘書陣を交代 黒田勝弘

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