<トルコで、イスラム色の強いエルドアン政権に対するクーデターを企てたとして軍の最高幹部など270人余りが訴追されていた裁判で、裁判所は5日、軍のトップの元参謀総長らに終身刑の判決を言い渡し、世俗主義を打ち出す野党などが強く反発しています。
トルコでは2007年に、イスタンブール市内で大量の手りゅう弾などが見つかったことを発端に、軍が関与したクーデター計画が明らかになったとして、軍の最高幹部や弁護士、それに国会議員など270人余りが訴追されていました。
裁判で、軍の幹部らは、無罪を主張していましたが、裁判所は5日、軍のトップだったバシュブー元参謀総長をはじめ、およそ20人に終身刑を言い渡したほか、野党の議員3人にも有罪判決を言い渡しました。
トルコでは、国是である、政教分離の守護者を任じる軍がクーデターによってたびたび政権を転覆させてきましたが、11年前に発足した、イスラム色の強いエルドアン政権は、徐々に軍の押さえ込みを図り、この事件も双方の緊張関係を象徴するものとみられてきました。
今回の判決について世俗主義を打ち出す野党は、「世俗派を抑え込もうとするものだ」と強く反発していて、エルドアン政権との間で対立が深まる可能性が出ています。(NHK)>
杜父魚文庫
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