<新潟空港で5日、大韓航空機がオーバーランしたことについて、重大事故につながるおそれがあったとして、運輸安全委員会が6日、調査官を派遣しました。原因は何だったのでしょうか。
前方に傾きながら停まった航空機。5日夜、新潟空港でオーバーランした大韓航空機です。国土交通省などによりますと、オーバーランがあったのは5日午後7時半過ぎ。韓国・インチョン発の大韓航空763便が、着陸する際に滑走路で止まり切れず奥の緑地まで入り込みました。機体に大きな損傷はなく、乗客・乗員合わせて115人にけがはありませんでした。
「体が斜めになって、前のシートにぶつかりそうになって、もしシートベルトをしてなかったら、多分この子は吹っ飛んだんじゃないか」(乗客)
激しく揺れた機体。しかし、機内では日本語での説明はなかったと言います。「韓国語と英語では、説明が何度か機内であったが、日本語の説明が一切なかったので、その点は不安だった」(乗客)
また、韓国人の乗客が空港を出る乗員に詰め寄る場面も。「マニュアルどおりにしましたか?初めのうちは案内放送しなかったでしょう。謝罪しましたか?しなかったでしょう」(韓国人の乗客)
オーバーランした距離はおよそ40メートル。機首から川まではおよそ50メートルあまりしかありませんでした。原因は一体何なのでしょうか?
元日本航空の機長で航空評論家の小林宏之さんは、ブレーキの故障か、着地点の問題が考えられると言います。
「通常はこの500メートルぐらいの地点なんですけど。今回は可能性としてさらに中に入ってしまって、残りの滑走距離が非常に短くなって、オーバーランしてしまったと考えられる」(航空評論家・小林宏之氏)
通常、飛行機が着地してから停止するまでには1500~2000メートルの滑走が必要だといいます。小林さんはこの距離が短かったことが原因と考えられると言います。
実際に乗っていた客は・・・、「着いた途端にすごく揺れて。急ブレーキをかけてガクッという感じで止まった」(乗客)
問題の機体は6日未明に動かされましたが、新潟空港では機体繰りの関係などで発着便14便が欠航しました。運輸安全委員会は重大事故につながるおそれがあったとして、6日、調査官3人を現地に派遣、原因を調べています。
韓国の航空会社をめぐっては、先月にもアシアナ航空機が、アメリカ・サンフランシスコ国際空港で着陸に失敗し、死傷者が出る事故が発生しています。5日の大韓航空機の機長は韓国空軍の出身者でしたが、小林さんは次のような可能性を指摘します。
「軍出身のパイロットが多いということは聞いているので、『権威勾配(=機長と副機長の権威の差)』が、民間航空会社に行っても残っていた場合、(パイロット間の)コミュニケーションが若干取りにくい可能性は考え得る」(航空評論家・小林宏之氏)
「安全を脅かす重大な事案だと判断し、徹底的に調査して問題点が現れれば厳正な措置を取るだろう」(韓国国土交通省、イ・グァンヒ運航安全課長)
韓国当局も6日、大韓航空の本社の特別監査を行っていて、原因究明を進める方針です。(TBS)>
杜父魚文庫
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