13610 みんなの党 蝸角(かかく)の争い  古澤襄

”一強多弱”となった政界で、野党の再編が関心事となった。焦点は江田憲司氏を幹事長から追い落としたみんなの党の渡辺体制が”個人商店”化して、内紛がいつ表面化するかであろう。
もともとが渡辺代表と江田氏は水と油の関係。江田氏は維新の松井一郎幹事長と野党再編に向け連携を保ってきた。松井幹事長は「江田氏は政界再編の必要性を一番感じている方で、全くぶれていない。更迭は理解できない」とエールを送った。
渡辺代表からすれば「江田氏は”獅子身中の虫”」ということになる。しかし党内には江田氏に近い勢力が10数人はいる。江田氏ひとりが離党するなら問題はないが、10数人が離党して維新と野党再編を志向すれば、みんなの党は壊滅的な打撃を受けかねない。
すでに、その兆しは現れている。みんなの党は東京都議選で七人の議席を得たが、“渡辺派”四人と“江田派”三人に分裂した。七人のグループが二つに割れている。小さな世帯で分裂騒ぎを起こしていれば、自民党は高見の見物となる。
こういう不毛の争いを「蝸牛(かぎゅう)角上(かくじょう)の争い」という。
《「荘子」則陽の、かたつむりの左の角(つの)にある国と右の角にある国とが争ったという寓話から》小さな者同士の争い。つまらないことにこだわった争い。蝸角(かかく)の争いといましめている。
杜父魚文庫

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