13729 渡辺喜美代表の純化路線が野党再編の引き金に  古澤襄

衆院18、参院18のミニ政党で「純化路線」とは噴飯ものだが、やっているみんなの党の渡辺喜美代表は真剣そのもの。そういえば純化路線は、かつて自由党時代の小沢一郎代表がやったことがある。
柿沢未途議員が離党してみんなの党は衆院17の勢力になったが、ここまでくれば江田憲司前幹事長がさらにどれだけの同志を引き連れて離党するかが焦点となった。離党すれば最初は無所属だが、いずれは日本維新の会に参加する公算が高い。
日本維新の会の衆院勢力は54、民主党の57とは3議席しか違わない。江田氏や柿沢氏などみんなの党から離脱した議員が日本維新の会に参加すれば、衆院第二党は民主党から日本維新の会に移る可能性が濃い。
これを防ぐには、民主党は小沢氏の生活の党との合併で数合わせをせねばならぬ。だが民主党内の保守系グループが反発することは避けられない。みんなの党で起こる離党騒ぎが民主党に伝染することにもなりかねない。
つまりはみんなの党で起こった渡辺代表の純化路線が、ご本人の思惑とは別に、野党を巻き込んだ再編の動きの引き金になる可能性が出てきた。江田氏や維新の橋下氏らは、その間合いを慎重に見定めているのだろう。
<みんなの党で23日、降って湧いた柿沢未途衆院議員の離党劇。民主党や日本維新の会などの議員との新党結成を志向する柿沢氏を、みんなを核とする政党連合を目指す渡辺喜美代表が追い出した格好だ。渡辺氏は「純化路線」を進める考えで、柿沢氏と同じく野党再編に積極的な江田憲司前幹事長の去就が焦点となりそうだ。
柿沢氏は今月5日、民主、維新、みんなの若手議員が開いた会合に出席。先に幹事長を更迭された江田氏にも近く、渡辺氏は22日、柿沢氏を呼び出し、浅尾慶一郎幹事長とともに事情を聞いた。
この中で柿沢氏は「古い殻を脱ぎ捨て、新しい枠組みをつくっていくことも選択肢としてあっていい」と、新党結成による野党再編に前向きな考えを伝えた。
渡辺氏は「みんなの党は解党しない」と譲らず、議論は平行線をたどった。23日に再び柿沢氏を呼び出した渡辺氏は「もう何も言わない。党を出て行ってくれ」と通告。柿沢氏は「一身上の都合」を理由とした自筆の離党届を出した。
柿沢氏は記者会見で「本当に無念。はらわたがちぎれるような思いだ」と怒りを爆発させた。「みんなの党は政界再編をするため結党した。大きな枠組みをつくり出すことがなぜいけないのか。それを目指そうという人を排除する必要はない」と渡辺氏の対応を非難した。
一方、別に会見した渡辺氏は「新党をつくることが自己目的化してしまっている。呉越同舟的に同じ船に乗ると党内抗争が起き、船が瓦解(がかい)する」と強調。その上で「党内融和を阻んでいるところを外科的に取り除く」と述べ、江田氏らにも離党を促す可能性を否定しなかった。
江田氏は23日、表立った反応は示さなかった。「家族と休暇を過ごしている」(江田氏周辺)という。ただ、江田氏に近い若手議員からは「他党の議員との意見交換が悪いのか」「代表は党を割るようなことをしないでほしい」と渡辺氏への不満が漏れた。(時事)>
<政界再編の方向性をめぐり、泥沼化するみんなの党の党内対立が、ついに「追放劇」に発展した。今月7日、政調会長代理を更迭された柿沢未途衆院議員(42)が23日、渡辺喜美代表に離党届を提出した。会見で、渡辺氏に呼ばれた22日午後からこの日昼まで「何も言わず、この党から出て行ってくれ」と何度も通告されたと明かし、「はらわたがちぎれるほど残念だ」と、恨み節を吐露した。
22日午後3時、渡辺氏に「離党勧告」された後、自室に戻ると、電話で同5時までに結論を出すよう追い打ちをかけられた。「いくら何でも無理」と反発すると、23日昼を期限に設定された。この日は渡辺氏に、目の前で離党届を書くよう迫られ、「自室に戻ってコピー機から白紙を出し、一身上の都合と手書きで書いた」(柿沢氏)。有無を言わせない状態での決別だった。
柿沢氏は、渡辺氏から幹事長を更迭された江田憲司氏の側近。渡辺氏が消極的な野党再編に積極的で、「みんなの党は政界再編の触媒政党だと、結党宣言にある。新しい枠組みができる時になくなるのが共通理解だ」と、反論した。ただ、都議時代に酒気帯び運転事故を起こして辞職した後、渡辺氏からみんなの党に誘われた経緯もある。「路頭に迷った私を拾い上げてくれた育ての親に出て行けといわれれば、受け入れるしかない」と、話した。
一方、渡辺氏は「党や私の方針に反する言動があった。党内融和を阻む人は、外科的に取り除く」と述べ、別の2議員からも事情を聴く方針。「渡辺個人商店」への純化路線へ向け、新たな離党者も出かねない事態に、柿沢氏は「こんなこと(追放)は、私だけにしてほしい」と訴えた。
今回の追放劇は、野党再編をめぐる渡辺VS江田&柿沢の見解の違いが大きな要因だ。渡辺氏は「再編→新党結成」に否定的。自身が立ち上げ、衆参35人(柿沢氏をのぞく)の規模にまでなった党の存続が前提で、20日には「新党から政界再編という考えを捨て、政党ブロックによる再編を考える時期」と、複数の政党連合で政権を目指す考えを示した。
しかし、江田氏や柿沢氏は「再編→新党結成」を視野に、日本維新の会や民主党の若手と会合を重ねる。渡辺氏主導の党運営にも疑問を呈し、「個人商店」の思いを深める渡辺氏との対立が決定的になった。今後は江田氏の対応が焦点。渡辺氏は「党方針と違う行動をすれば断固たる措置を取る」と強調するが、江田氏が党を離れれば追随する議員もいるとされ、みんなの党は完全に分裂する。(日刊スポーツ)>
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