13833 バンカメ、中国建設銀行株を全株売却  宮崎正弘

■ゴールドマンサックスに次いで撤退。米中の金融蜜月時代はおわった。
バンカメは保有する中国建設銀行の株式を香港市場で売却し、保有をゼロにする(ウォールストリート・ジャーナル、9月4日)。
ゴールドマンサックスは中国工商銀行の株式を数回に亘って売却し、現在保有ゼロ。
嘗てゴールドマンサックス会長だったヘンリー・ポールソンが北京へ七十回通って、中国の銀行産業をてこ入れし、国有銀行の硬直化を緩和し、株式の一部を新規公開株として香港に上場させる指導をした。
さらには一番先に株主として名乗りを上げたため工商銀行は突如「世界一の時価発行総額」を誇ったものだった。つまり中国の金融界の発展の裏には米国の協力があったのである。
ポールソンは、そのご、辣腕を買われてブッシュ政権後期に財務長官となって中国に通い続け、以後はオバマ政権になってもガイトナーから、現在のルォ財務長官にいたるまで、その親中姿勢に変化は見られないが、それは中国が米国債を二兆ドル以上保有しているからに他ならない。
中国の銀行の隠れた不良債権は、すくなく見積もっても160億円、最悪で300兆円をこえていると欧米のシンクタンクは推測されている。だからゴールドマンサックスについでバンカメも、保有株の売り逃げに動いた。
欧米の銀行が見放した中国国有銀行、そのマンモスは死に場所を探しているのか?
杜父魚文庫

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