13844 米大統領、世界に対シリア軍事介入への支持を求める   古澤襄

バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領はスウェーデン・ストックホルム(Stockholm)で開かれたフレデリック・ラインフェルト(Fredrik Reinfeldt)スウェーデン首相との共同記者会見で、シリア問題についての質問に答え、軍事介入への支持を求めた。仏AFPが伝えている。
世界の目がシリアに対する米国の軍事介入に注がれている時に潘基文(バン・キムン)国連事務総長の存在感が薄い。2006年の安全保障理事会で、韓国外相の潘基文が満場一致で選出されたが、前任者のコフィー・アナン(Kofi Atta Annan)よりも見劣りがする。
3日、潘基文は記者会見で国連の安保理の承認なしで米軍がシリアを攻撃した場合の合法性について、懐疑的な見方を示したものの、それきりで紛争処理のために積極的に動いた形跡が皆無である。むしろシリアに対して「加害者には正義が下されるべきであり、罰を逃れられない」と評論的な論評を加えている。
<[国連 3日 ロイター]国連の潘基文(バン・キムン)事務総長は3日、シリアへの武力行使が合法なのは自衛目的、もしくは国連安全保障理事会の承認を得た場合に限るとの考えを示した。
オバマ米大統領はこれまで、安保理の承認を得られなくても軍事介入に踏み切る構えをみせており、事務総長の発言は、安保理の承認なしで米軍がシリアを攻撃した場合の合法性について、懐疑的な見方を示したものとみられている。
潘事務総長は「武力行使は、国連憲章51条に定められている自衛権の行使か、安保理が承認した場合のみ合法」とし、「これは国連の揺るぎない原則」と主張した。
米国は1999年にコソボを空爆した際も、安保理の承認なしで攻撃に踏み切っている。
事務総長は「さらなる流血の惨事を防ぐ上で、こうした懲罰的な措置が与える影響を考慮するともに、政治的解決を目指すべきだ」と述べ、軍事介入による化学兵器使用を抑制させる効果についても疑わしいとの考えを示した。
また「いかなる状況下であっても化学兵器の使用が確認されれば、国際法の深刻な違反であり、極悪な戦争犯罪」と述べ、「加害者には正義が下されるべきであり、罰を逃れられない」とした。(ロイター)>
<【ダマスカス 9月5日 AFP】スウェーデンのストックホルム(Stockholm)を訪問したバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は4日、シリアの違法な化学兵器使用に対する懲罰的攻撃への支援を国際社会に求めた。一方のシリアはそれが第三次世界大戦になろうと、報復と抵抗を行うと誓った。
国連難民機関と、多くのシリア難民を受け入れているシリアに隣接する4か国は国際社会に対し、意見の違いを脇において「恐怖の悪循環」を終わらせるよう訴えている。
シリアへの軍事攻撃に対する超党派の米議会指導部から支持をとりつけたばかりのオバマ大統領は、戦時においても化学兵器の使用を禁止している国際法規について触れ、「私がレッドライン(越えてはならない一線)を引いたのではない。世界が引いたのだ」と述べた。
オバマ大統領はロシアのサンクトペテルブルク(Saint Petersburg)での主要20か国・地域(G20)首脳会議に向かう。ホワイトハウス高官によると、シリア攻撃を支持しているフランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領のほか、中国や日本の首脳とも会談する予定。
シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領を強く支持しているロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領とオバマ大統領との会談は予定されていないが、あるホワイトハウス高官は何らかの形で両首脳の対話が行われる可能性があることを示唆した。(AFP)>
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