13913 シリア、全ての化学兵器を来週中に引き渡せば攻撃回避も  古澤襄

<[ロンドン 9日 ロイター]ケリー米国務長官は9日、シリアのアサド大統領がすべての化学兵器を来週中に国際社会に引き渡せば、攻撃を回避できると述べた。ヘイグ英外相との共同記者会見で語った。
ただ、会見後間もなく、アサド政権に対し実質的な申し出を行ったわけではないとし、発言内容を明確にした。

アサド政権が軍事攻撃を回避するため、何らかの行動をとる、もしくは申し入れを行うことは可能かとの記者団からの質問に対し、ケリー長官は「来週中に滞りなく、国際社会にすべての化学兵器を引き渡し、保有している化学兵器の全容を明らかにすることができるはずだ」としつつも、「アサド大統領はそのような行動に出ようとしておらず、可能ではないだろう」と語った。
国務省報道官はケリー長官の会見後、同長官の見解について、アサド大統領が化学兵器を引き渡すことは「不可能かつありそうにもないということを意味する修辞的な発言」と説明した。
ケリー長官はまた、米国と同盟国が提出した証拠がアサド政権による化学兵器使用を証明することができると確信しているとしながらも、アサド大統領が化学兵器による攻撃に関与したことを裏付ける証拠を米国が入手したかどうかについては、直接的な言及は避けた。
2003年のイラク戦争の経験から、懸念が出ていることも理解できるとしたものの、行動を取らないことは、米国と同盟国にいずれ悪い結果をもたらすことになりかねないと強調した。
アサド大統領は米CBSとのインタビューで、8月21日の化学兵器による攻撃への関与を否定。シリアが攻撃されれば報復するとの姿勢を示し、米国の軍事介入をけん制した。
同インタビューについて質問されたヘイグ英外相は、アサド大統領の発言を過度に重視すべきではないと警鐘を鳴らした。
英議会はこれまでにシリアへの武力行使に参加しない方針を決定したが、ケリー長官は、英国と米国の関係はこれまで通り強固と述べた。
アサド政権を支援するロシアのラブロフ外相は同日、シリアのワリード・ムアレム外相と会談。両国は米国に、軍事行動でなく、和平交渉を開催する取り組みに集中するよう要請すると述べた。
(ロイター)>
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