13928 アメリカで「慰安婦問題」をあおるのは誰か 古森義久

アメリカ国内で、日本のいわゆる慰安婦問題をあおり、虚構の誹謗を浴びせるのは一体、誰なのか。 どんな勢力なのか。真の主役は誰なのか。そのあたりの報告です。
■米国で慰安婦問題を騒ぎ立てる本当の黒幕 韓国系団体の背後にいるのは中国系の反日組織だった
米国での慰安婦問題をめぐる動きは、日本にとってなお大きな課題である。日本の政府や軍隊がなんの罪もない若い女性 を20万人も無理やりに連行して、「性的奴隷」として酷使し、虐待し、しかも戦後もなんの責任も取っていない、と非難されるのだ。
2020年オリンピック の東京開催が決まり、全世界に日本の前向きなイメージが広がる中で、過去の「非人道的な国家的犯罪行為」をなお糾弾されるのである。
一体、誰が、なんのために現代の日本をそんなふうに誹謗するのか。この点は日本にとって解明しておくべき疑問点である。
米国での慰安婦問題を象徴するような慰安婦像がカリフォルニア州南部のグレンデール市に設置されてから1カ月半が過ぎた。すぐ近くのブエナパーク 市でも同様の動きがあったが、地元在住の日本人たちの明確な反対もあって阻止されたようだ。だが、今度はカリフォルニア州北部のミルピタス市でも、また慰安婦像を設置しようとする動きがあるという。
露骨に日本を叩くこんな活動を米国内で一貫して進めているのは誰なのか。日本側では単に「韓国ロビー」というだけで、その実態は伝えられない。
慰安婦の碑は、東部のニュージャージー州とニューヨーク州の小さな町に合計3カ所、建てられた。「日本帝国政府の軍隊によって拉致された20万人 以上の女性と少女たちのために人道に対する罪を決して忘れない」などという記述が刻まれた碑である。グレンデール市の少女像の基座にも同じ文句が記されていた。
こうした活動の推進者として表面に出るのは、ごく少数の韓国系米人の名と特定地域で旗上げした「カリフォルニア韓米フォーラム(KAFC)」というような新参の団体名だけである。全米規模で機能する韓国系組織の存在は感じられない。一体、どうなっているのだろう。
■慰安婦関連の活動に関わった韓国系団体
最近の慰安婦の碑や像を推進する活動で名前が出てきた韓国系関連の団体は以下の通りである。それぞれの団体が、慰安婦関連の活動にどう関わったと主張しているのかを報告しよう。
【韓国系米人市民強化(KACE)】
旧名称は「韓国系米人有権者評議会(KAVC)」。本部はニューヨーク州フラッシングにある。ニューヨーク州で1996年、ニュージャージー州で 2000年に活動が始まった。韓国系の人たちの米国社会への参加、アメリカの選挙への参加の拡大を目的とする市民団体である。韓国系市民と母国である韓国 との絆の強化もうたっている。1996年以来、合計2万5000人の韓国系市民を有権者として登録させた実績を持つという。
代表のキム・ドンチャン氏は、KACEがパリセイズパーク市での慰安婦碑の建設を実現させたと言明している。しかしKACEの主要任務は、あくまで米国社会での政治参加、選挙参加の拡大だとしている。
パリセイズパーク市では、副市長の韓国系のジェイソン・キム氏がジェームズ・ロトゥンド市長を説得し、慰安婦碑の同市内での建設を認めさせたともいう。キム副市長はKACEとの結びつきもある。
【カリフォルニア韓国系米人フォーラム(KAFC)】 
本部はカリフォルニア州アーバイン市にある。2007年に、カリフォルニアの少数の韓国系州民たちが、米国議会下院での慰安婦決議案の推進に草の根レベルで加わった。同決議案が可決されたあと、その韓国系州民たちは、日本側になお慰安婦強制連行や性的奴隷制の責任を認めさせ、賠償をさせる活動を続けるためにKAFCを結成した。
グレンデール市での慰安婦像の設置ではKAFCが主体となり、韓国から像を輸送したり、設置する作業を取りまとめたという。
【韓米公共政策委員会(KAPAC)】 
本部はニューヨーク州。韓国系米人の米国社会の中枢部分への参加を支援するという目的で2006年に創設された。対米ロビーで効果を挙げるイスラエル支援の「米国イスラエル公共政策委員会」をモデルにしたとされる。
全米規模の活動を目指すというが、いまのところの活動はニューヨーク州とニュージャージー州だけだと自ら認めている。だが、会長のエリオット・キム氏の言によると、連邦議会での活動も最近は活発になってきたという。
KAPACは慰安婦問題に関して、ニューヨーク、ニュージャージー両州での慰安婦碑の建設の活動を支援したという。2013年1月にはニューヨーク州議会の上院が採択した慰安婦決議案の推進にもKAPACが動いたと報じられた。
■韓国系米人の大多数は慰安婦問題にはまったく無関心
さて、以上はこれらの韓国系団体自身の発表や米国メディアの報道に基づく情報だが、慰安婦にまつわる日本非難の活動は極めて小規模なものしか浮かび上がってこない。また、その活動の具体的な内容も、どこかもう一歩はっきりしない。
さらに、いずれの団体も結成の歴史が浅い。カリフォルニアのKAFCに至っては、旗揚げされたのは連邦議会下院での慰安婦決議案が採択された後である。しかも、そのメンバーが極めて少数であることを組織自身が明かしていた。(つづく)
杜父魚文庫

コメント

タイトルとURLをコピーしました