すでに資産の半分は欧米豪投資に移行している。
李嘉誠といえば中国圏でもっとも有名な富豪。香港財閥第一位。香港株式市場の時価総額の三分の一は、李嘉誠率いる長江実業と傘下の和記黄舗(ハッチソンワンポア)などのグループで占めるほどである。
世界富豪第八位。個人資産は310億米ドルと言われる。
李嘉誠はトウ小平、江沢民に近く天安門事件直後には「逆張り」で中国への本格的投資を開始し、広州、上海などでオフィスビルを建てた。マカオ、香港をふくめ中国国内には300店舗の安売りディスカウント・ストア(百佳超市)を開店し、一時は北京から全国政治協商会議副主席をオファーされたという噂もあった。
その大富豪が「大恐慌前にケネディの父親が保有株式を全部売り逃げたように、中国経済破滅を前に財産のたたき売りを始めた」とするニュースが流れ出した。
実際に香港のデパートを売却し、広州(西城都会)と上海に保有したオフィスビル(陸家嘴の東方センター)を売却した。
「向こう十八ヶ月で香港の不動産価格は15%程度下落する懼れがある」(ウォールストリートジャーナル、中国語版、9月13日)。
かわりに李嘉誠は英国、カナダ、米国、豪の不動産、通信企業に投資し、またインフラ建設の企業を設立し、英国ではエネルギー産業にも大々的な投資をしている。
その欧米シフトは資産の半分を超え、邦貨換算で3兆5000億円が欧米にシフトした。
すでに八月から李嘉誠の中国撤退のニュースは流れていた。
というのも、八月恒例の中間決算発表記者会見に顔を見せなかったからで長男のヴィクターが代わって決算報告記者会見に応じた。
このときすでに中国に於ける不動産売却の話が流れており、ショッピングモールの「キングウッズ・ギンザ」(KINGSWOOD GINZA)も増店計画はないとした。
香港のメディアのなかでは「これは梁振英(香港行政長官=団派系)への政治宣言だ」(香港立法委員の陳偉業)であり、李嘉誠が支持したのは落選した江沢民派の唐英年だったからだ。
「分散投資は華僑の常識、それほど騒ぐ問題ではない」と香港行政当局は反応している。また香港の不動産王手「新鴻基」(サンホンカイ)は、新に24億ドルを香港の不動産開発に投資すると、まるで李嘉誠とは逆コースを宣言している。
(読者の声)イプシロンの打ち上げ成功はおめでたいことであるが、その軍事的・外交的意味が日本で論じられていない。これは、世界の識者の間では、全くの非常識である。
固体燃料ということは、液体燃料のように打ち上げ前に数時間かけて燃料を注入する必要がないということである。
1トン以上の人工衛星を打ち上げることができるということは、大陸間弾道弾なら数トン、東アジアなら10トンくらいのものを打ち込める力があるということである。現在の日本の技術力なら、ゆっくりやっても3年あれば原子爆弾を作ることが可能であり、急げば半年でできる。
何も使う意思がなくてもかまわない。作るかもしれない、使うかもしれないというだけで、政府主導の反日運動に対する抑止力となる。(ST生、千葉)
(宮崎正弘のコメント)イプシロンは完全にICBMになりえます。つぎに核弾頭開発ですが、シナリオはいくつもあり、嘗て小誌に書きましたが、インドから買う。パキスタンから買う。過去の援助の棒引きが条件です。またオバマ政権のシリア不介入はアメリカの衰退を象徴する出来事、いずれ第七艦隊は極東から撤退することも近未来のシナリオとして想定しておく必要があります。
そのときは米国債を担保に第七艦隊ならびに在日米軍をそっくりいただくという、途方もないアイディアも実現性がありますよ。
杜父魚文庫
13975 香港最大財閥、李嘉誠も中国投資から撤退の憶測しきり 宮崎正弘

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