もう一人の財閥、王建林にも汚職疑惑浮上。昨年度の中国財閥ナンバーワンは宗慶后・ワハハ集団董事長(CEO)。この財界大物が9月13日の金曜日に自宅付近で暴漢に襲われ、左手の指四本を骨折していたことが18日に判明した。
杭州市南京路某老小路にある宗慶后の自宅付近での出来事で、ワハハ広報部は「些末な事故」と発表した。
杭州市公安当局は、宗が杭州市の参与でもあり、また全国人民代表大会の杭州市代表委員でもあるため、事件を重視し、捜査に乗り出した模様(博訊新聞網、9月18日)。
また今年度の中国財閥ナンバーワンとなったのは、王建林(万達集団董事長。昨年度は第貳位)。この王建厘に関しても収賄、脱税の噂が絶えず、多くの中国語媒体が汚職疑惑で捜査対象になっていると伝えている。
王の個人資産は142億ドル(昨年度一位だった宗慶后は二位に転落したが、総資産は110億ドル)。王建林の万達集団本社は大連市内の一等地に高層ビル、不動産投資と映画館チェーンの経営であたり、ハリウッド映画進出に情熱を燃やす(拙著『中国を動かす百人』、双葉社の179pを参照)。
宗慶后は杭州市でミルクや健康飲料水の販売をはじめ、ミネラルウォーターで馬鹿あたり、飲料類から食品にいたる総合商社としてのし上がった(詳細は同拙著『中国を動かす百人』、双葉社の169Pを参照)。
ワハハ集団は仏ダノンとの提携を2009年に解消したが、社内の内紛が絶えず、さきごろ副社長を解任したばかりだったと香港商報がつたえた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(読者の声)中国は温暖化議論から強硬に逃げていますが、いずれ何らかの対応を取らざるを得ないと思っているはずです。そうすると、石炭は最悪、油もCO2がたくさんでる。それでLNG、最善は原子力ということかと思います。
中国にもシェールガス埋まっているそうですが、アメリカ政府側が採掘方法を教えないので、何とか盗もうとしています。時間の問題で掘れるようになるでしょう。
これで中国フィーバーがまた起こる可能性あり。原子力も計画は相当あるようですが、治安が悪いので、中央政府としては、怖いかもしれませんね。もし原発を爆発させるぞと脅されると、何ともならないことが今回の我が国の福島で明らかになってしまった訳ですから。
日本も似たようなエネルギー構図です。原発の再稼働とLNGへの転換が急務です。再生可能エネルギーは当然がんばりますが、時間がかかります。
商船三井が中国向けのLNG輸送を契約したのですが、船は中国で造ってくれと言われ、国営フートン造船所で作っています。相当な人数を三井造船や商船三井からフートンに投入しているそうです。
フートンは滬東中華造船(集団)有限公司のことです。
川重はCOSCO(中国最大の国営海運会社)とくっついて造船をやっているのですが、川重が断れば、何処かでLNG船作るだけだと思います。
最近、結構老朽LNG船の故障が多発しています。日本の修理工場で直しまくっています。これが儲かつているようです。日本人は正確で器用なんですね!
確かに中国製が増えるとLNG船で事故起きないかと心配になりますが、LNG船自体はタンクに圧が掛かっていないので、燃えることはあっても大爆発はしません。LPG船より安全です。ただし、どこ製の船でも、ロケット砲で打たれたら大火災になるでしょうね。船よりも大きな地下や地上タンクがいくつもあるので、迫撃砲で一発ではないでしょうか。
アメリカは、都市の近くにLNG基地はありません。全部田舎に移しました。日本も、東京湾外に移動させるべきと思います。ただし被害想定を公表して議論できないんですね。大騒ぎになりますから!(NK生、品川)
(宮崎正弘のコメント)かたや中国にとって「用済み」となった日系のデパート、スーパーに電機メーカーなど、中国が自前でやっていける産業分野では日本企業の追い出し作戦が展開中。モデルはヤオハンです。
焼き討ちされたパナソニックやイオン、トヨタもそろそろ追い出される? なぜならドイツが代替しますから。伊勢丹、ヤマダ電機の撤退についで、次はどこ?
おそらく最大の被害者は王子製紙になる可能性があります。江蘇省南通の工場への投資は、じつに2300億円です。
いま熱烈に歓迎されているのは新日鐵などの高級鋼板、自動車エンジン、造船ですが、そのうち先方が技術を盗んだら「用済み」となり、嫌がらせ、撤退というパターンが繰り返されるでしょう。だから言ったじゃないですか。中国へは進出するな、って。
杜父魚文庫
14003 中国最大財閥、ワハハ集団董事長の宗慶后、テロの襲撃? 宮崎正弘

コメント