<【ワシントン時事】オバマ米大統領に次期駐日大使に指名されたキャロライン・ケネディ氏(55)の人事案承認をめぐる公聴会が19日午前(日本時間同日深夜)、上院外交委員会で開かれた。ケネディ氏は「日本はかけがえのないパートナーだ」との認識を表明。オバマ政権がアジア重視戦略の基軸と位置付ける日米同盟の強化に努める考えを示した。
ケネディ氏は日本の現状について「政治的安定と経済再生の時代を謳歌(おうか)している」と指摘。米国の経済界と連携して日本の市場開放を図るとともに、環太平洋連携協定(TPP)交渉の妥結へ日本側と連携していくと訴えた。
沖縄県・尖閣諸島をめぐる日中対立については「緊張緩和を期待する」と表明。尖閣諸島は日本の施政権下にあり、対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象との米政府の立場を繰り返した。難航する沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題は「進展への希望はある」と述べた。
また、1978年に叔父の故エドワード・ケネディ上院議員と初めて訪日し、広島を訪れて「深く心を動かされた」エピソードを紹介。「日米という二つの民主国家を結ぶ力強い絆を象徴する役割を果たしたい」と強調した。
ケネディ氏の駐日大使起用は外交委の審議と採決を経て、上院本会議でも承認される見通し。早ければ10月中に赴任するとみられる。女性の駐日米大使は史上初めてとなる。
ケネディ氏は1963年に暗殺されたジョン・F・ケネディ大統領の長女。過去2回の大統領選で高い知名度を生かしてオバマ陣営の勝利に貢献した。大統領と太いパイプを持つ一方、これまで政治や外交の実務に経験がなく、日本との関わりも薄かったため、今回の起用は「論功行賞人事」との批判も招いた。
◇キャロライン・ケネディ氏略歴
キャロライン・ケネディ氏 57年ニューヨーク市生まれ。ハーバード大卒、コロンビア大法科大学院修了。弁護士。ケネディ記念図書館長など非営利団体役員を多数務める傍ら作家活動を行っており、詩などに関する著書多数。デザイン会社経営の夫シュロスバーグ氏との間に1男2女。86年夏に新婚旅行で日本を訪れた。(時事)>
杜父魚文庫
14019 日本「かけがえのないパートナー」=ケネディ次期大使 古澤襄

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