14058 JR北海道 線路異常を放置   古澤襄

■「人命軽視」のでたらめ保線 レール異常が見つかった路線
<JR北海道がレール異常を放置していた中には、約130キロの最高速度で走る特急列車が通過する場所もあった。脱線、転覆など重大事故につながる可能性も否定できず、「人命軽視」との厳しい批判は免れない。「乗客への裏切り行為だ」。公共交通機関としての信頼は失われた。
野島誠社長の会見が開かれた札幌市内の本社2階には約50人の報道陣が詰めかけた。野島氏はこわばった表情で謝罪。企業体質を問う質問が集中する中、反省の弁を繰り返した。
JR北海道によると、レールの点検方法には保線担当者が線路を歩きながら小型計測機器で異常の有無を測定していく方法と、「軌道検測車」と呼ばれる専用車両で調べる方法の2種類ある。列車同士が行き違う際に片方の列車が待機する「副本線」では前者が、特急列車などが高速走行する「本線」では後者の方法が採用され、異常が見つかれば15日以内に補修しなければならない。
JR北海道は取締役工務部長が出席した21日の会見で「副本線は使用頻度が少ない。(現場と本社で)データ共有の方法を変えることも含め検討する」としていた。ところが今回、本線でも異常の放置が発覚。専門家から「でたらめな保線ぶりがより鮮明になった。乗客への裏切り行為だ」とあきれる声が上がった。
上浦正樹・北海学園大教授(鉄道工学)は「旧国鉄で線路補修に関わった人間として、JR北海道が多くの異常を放置していたという今回の事例は信じられない。もはや会社の技術力の問題ではなく、安全運行に向けた意識があるかないかの問題だ」と厳しく批判。
JR北海道では今年に入り、特急のエンジンからの出火や発煙トラブルが相次いだため、最高速度を落とし、運行本数を減らす「減速減便」を打ち出したばかりだ。永瀬和彦・金沢工業大客員教授(鉄道システム工学)も「経営悪化の中で線路の状態が悪化し、ここ数年で事故が多発している印象だ。補修予算の大幅削減といった、何か他の原因が疑われる」と指摘した。(産経)>
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