14106 21世紀末までの気温上昇は最大で4.8度、国連報告   古澤襄

<世界の科学者で作る国連のIPCC=気候変動に関する政府間パネルは今世紀末には世界の平均気温が最大4.8度上昇するとした報告書を公表しました。
温暖化が進むと特に日本近海で海面が上昇し、猛烈な台風が発生するという国の最新の研究もまとまり、対策が迫られています。
6年ぶりとなったIPCCの報告書では、温暖化が「人間の活動によって引き起こされた可能性が極めて高い」として、これまでで最も踏み込んだ表現で温暖化が人為的に引き起こされていることを強調しました。
そのうえで、大気中の二酸化炭素の濃度が現在の2倍以上に上昇した場合、今世紀末には世界の平均気温が最大4.8度上昇すると予測しました。
国のプロジェクトで日本への影響を研究している気象庁気象研究所や東京大学などは、IPCCが今回明らかにした報告書の想定に基づいて、海面がどの程度上昇するのか近い将来の詳細な予測を初めて行いました。
その結果、世界の海面は2035年には1950年と比べて平均でおよそ20センチ上昇するとしています。シミュレーションからは日本付近は、暖かい黒潮の影響で世界の中でも特に上昇することが分かります。
気象研究所の石井正好主任研究官は「上昇の効果はじわじわと現れるので実感しにくいが、台風による高潮などで低い土地の浸水の頻度が高まるため、注意が必要だ」と指摘しています。
また、名古屋大学などの研究グループは、今世紀後半の2070年代から80年代に台風の発生数や規模が、どう変化するのか、シミュレーションしました。
平均気温が2度上昇した場合、台風の数は少なくなるものの、伊勢湾台風のような風速70メートルを超える猛烈な台風が毎年のように発生し、中には最大風速が80メートル以上とこれまでに経験したことのない台風も含まれています。
名古屋大学の坪木和久教授は「近い未来に台風の勢力が強まることを想定して高潮や暴風などの対策を今から進めることが必要だ」と話しています。(NHK)>
<【9月27日 ストックホルム AFP】国連(UN)の「気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change、IPCC)」は27日、地球温暖化の原因は人間の活動にあり、今世紀末までに地球の気温は0.3度から最大で4.8度上昇すると予測する第5次評価報告書を発表した。
2007年にノーベル平和賞を受賞しているIPCCの作業部会は3つあり今回の第1作業部会による報告書の要約によると、海面は2100年までに26~82センチ上昇する。また過去60年における温暖化の要因は半分以上が人間の活動にある可能性については、95%以上の確率を示す「極めて高い」との表現を用いた。2007年発表の前回報告書では、同じ項目について90%の確率としていた。

地球温暖化の現状と影響を考察する報告書は、全3部をまとめる予定で、27日発表のものは、その第1部。
IPCCは25年前の創設から、これまでに4回、温暖化の評価報告書を発表。どの報告書でも気温上昇や、これに伴う干ばつや洪水、暴風雨、海面上昇など気候システム異常の増加に対する警告を、強く訴えてきた。
2100年の予測数値は、温室効果ガスの動向を算出するコンピューターモデルを基としている。温室効果ガスの要因は、今日の主要エネルギー供給源である石炭、石油、ガスなどだ。
IPCCがまとめた4つの予測シナリオのうち、最も楽観的な数字は2100年までの気温上昇を2000年時との比較で平均1度、最低で0.3度、最大で1.7度としている。産業革命初期からの気温上昇を2度未満とした国連の長期目標数値を満たす唯一のシナリオだ。
温暖化の影響を最も大きく見積もったシナリオは、今世紀末までの気温の上昇が平均3.7度、最低でも2.6度、最大で4.8度と予測しているが、これは環境専門家の多くが壊滅的と予想する数字だ。(AFP)>
杜父魚文庫

コメント

タイトルとURLをコピーしました