14124 ドルが幅広く下落   古澤襄

■米政府機関閉鎖の可能性を警戒=NY市場
<[ニューヨーク 27日 ロイター]27日終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが幅広い通貨に対して下落し、対スイスフランでは7カ月半ぶり安値をつけた。
米政府機関が閉鎖に追い込まれる可能性が高まっていることや、米連邦準備理事会(FRB)の緩和縮小の見通しが不透明となっていることが重しとなった。

米議会ではこの日、新会計年度が始まる10月1日から11月15日までの資金を手当てする暫定予算案が上院で可決された。ただ、下院共和党は医療保険改革法(オバマケア)向け予算打ち切りなどを予算手当ての条件とする構えで、政府機関の閉鎖を回避できるかは不透明な状況だ。
BKアセットマネジメントのマネジングディレクター、キャシー・リエン氏は「(予算の)期限が迫るにつれ、政府機関が閉鎖されれば米国資産の劣化や米成長率の鈍化につながるとの懸念が高まり、投資家はドル売りを加速させている」と指摘した。
FRBの量的緩和縮小の行方にも注目が集まる。年内は10月と12月に連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されているが、米経済が確固とした回復軌道に乗るよう、緩和縮小は来年初めまで見送られるとの観測も一部で出ている。
ラボバンクのシニア通貨ストラテジスト、ジェーン・フォーリー氏は「ドルに対し中期的に良好な見通しを維持しているが、より明確な上昇の勢いが出てくるのは、議会の財政協議が打開し、量的緩和を縮小できるほど米経済の自律成長が持続可能であることを示すデータが出てきてからになる」と語った。
主要6通貨に対するICEフューチャーズUSドル指数.DXYは0.3%低下の80.284。週間では3週連続の下げとなり、月初来の低下率は約2.2%となった。
ドル/スイスフランは0.5%安の0.9058スイスフラン。一時は0.9018スイスフランまで下げ、2月上旬以来の安値をつけた。
ユーロ/ドルは0.2%高の1.3518ドル。
ドル/円は0.7%安の98.24円。一時は1週間ぶり安値となる98.07円をつけた。麻生太郎財務相が当面の法人実効税率引き下げにあらためて慎重な発言をしたことが引き続き材料視された。
英ポンドは対ドルで1週間ぶり高値の1.6137ドル。イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁が、英経済の回復の兆候を考慮すれば中銀が一段の債券買い入れを行う必要はないとの認識を示したと伝わったことが支援した。(ロイター)>
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