1999年だったと思うが、10日間のシベリア旅行から帰国したら体調が思わしくない。かかりつけの町医者に診察して貰ったら、採血と検尿のデータを見て骨髄腫の疑いがあるので血液内科のある総合病院で検査するように言われた。
総合病院の血液内科の医師はデータを診て「胸に穴をあけて骨髄液をとりましょう」といとも簡単にいう。その結果が“骨髄のがん”といわれる多発性骨髄腫の告知であった。
骨髄腫なんて病名は聞いたことがない。十万人に二、三人という”難病”で、白人には少ないが、有色人種つまりは黒人や黄色人種に比較的多く、抗がん剤治療があまり効かない。告知後、三年が平均の余命だという。「まあ、仕方がないか・・・」と観念するしかなかった。
多発性骨髄腫の告知を受けた女優の小林千登勢さんが同じ病で2003年11月に亡くなっている。告知後、三年。制がん剤を服用すれば、もう少し寿命を延ばすことが出来たが、服用を断って亡くなった。好きな女優だったので、あらためて「まあ、仕方がないか・・・」と思った。
それが告知後、12年目を迎えてまだ制がん剤を使っていない。骨髄腫は発見が早ければ十数年の長期生存が可能だという。この10日に総合病院の血液内科と腎臓内科で精密検査を受けることになっている。
多発性骨髄腫(たはつせいこつずいしゅ、Multiple Myeloma:MM)は、血液の悪性腫瘍の一つ。悪性リンパ腫と同じく血液悪性腫瘍の中でも比較的多い。感染症に罹りやすい体質になるので、最初の二、三年は病院に行ってもマスクを常用していた。
骨の痛みを感じるのは日常茶飯事となったが温泉に入ると痛みが和らぐ。この10年余り、機会があると温泉のハシゴ旅行をしてきた。案外、これが骨髄腫の進行を防いでいる気がする。
酒もタバコもほどほどにする様に医師から言われているが、好きなものを断って長生きするつもりはない。酒は昔の様に一升酒は飲めなくなったが、それでも興が乗れば三合、四合では止まらない。タバコは20本、杜父魚ブログの記事を書くのに放せない。
温泉はタマゴの腐った臭いがする硫黄温泉にかぎる。できれば北投石(ほくとうせき)で知られる秋田県の玉川温泉に行きたいのが念願だったが、二、三年先まで予約が一杯なので果たせないでいる。
北投石はラジウムを放射するからガンに効くとされ、多くの湯治客が岩盤浴に訪れている。放射線が怖い世相と逆行する微量放射線を浴びる岩盤浴なのだが、昔から人気がある玉川温泉は一向に寂れる様子がない。
杜父魚文庫
14176 微量放射線を浴びる岩盤浴に憧れている 古澤襄

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