朝日新聞の10月13日朝刊一面トップの記事には驚きました。日本の新聞なのかとまじめに疑いました。
いまになって東南アジアに記者を送りこみ、日本軍のいわゆる慰安婦問題についての苦情や抗議を現地側の人たちに煽り立てていたというのです。「取材」とか「調査」という名目を掲げていますが、基本の姿勢は日本攻撃です。
現代の日本を過去の出来事にからむしがらみを使って、その名声を傷つけ、評判を落とし、日本国民の名誉を汚す意図が明白です。
戦争にからむ加害や被害はインドネシアなど東南アジア諸国との間ではサンフランシスコ講和条約で決着が着いています。戦時の慰安婦問題もその枠内で解決しています。
ましてインドネシアでの慰安婦問題は日本軍の一部が中央の指示に反して、現地のオランダ女性などを強制連行し、戦後すぐに戦争裁判で裁かれ、死刑などという厳罰を受けています。要するにすでに裁きが下され、謝罪や賠償の対象になった案件なのです。
だから日本政府が河野談話を機に韓国の過去の状況は調べても、インドネシアではあまり徹底して調べなかったことになんの不自然もありません。それを朝日新聞がまた掘り起こそうと試みているのです。
しかし今回の朝日新聞の「取材」での日本斬りつけ作業は成功しなかったようです。現地の旧関係者ももう過去の事例として、解決ずみという態度を見せていることが明らかになったからです。
こんな作業をする朝日新聞とは一体なんなのでしょうか。
あの痛ましい戦争のなかでの一つの特別な断片だけを拡大し、「日本が悪かった」、「日本はいまも悪い」というプロパガンダを一貫して広めようとするのです。もし人道主義を説くのならば、原爆投下による日本国民の被害はどうなのか。いまこの瞬間も続く中国の少数民族弾圧、北朝鮮からの難民女性の弾圧はどうなのか。
なぜ日本だけを遠い過去の、しかも清算ずみの慰安婦問題という特殊ケースだけを取り出し、東南アジアに記者たちを送ってまで、傷つけようとするのか。なぜ日本への文句だけを御用聞きのように集めて回るのか。これが日本の新聞のすることなのでしょうか。いまの韓国や中国の新聞のすることなら、まだわかります。
朝日新聞というのは、やはりいまの日本が嫌いな組織、いまの日本が傷つくことを願う組織なのだと思わされます。そんな「取材」をする記者たちに日本人としての自国の誇りや名声を守ろうという意識はないのでしょうか。
その記事の一部を以下に貼り付けました。
■慰安婦問題の拡大阻止 92~93年、東南アで調査せず 朝日新聞デジタル 10月13日(日)8時29分配信
外務省からインドネシア側への抗議を記録した1992年7月14日の外交文書。兵士の処罰を求める発言を「驚き」と批判している
旧日本軍の慰安婦問題が日韓間で政治問題になり始めた1992~93年、日本政府が他国への拡大を防ぐため、韓国で実施した聞き取り調査を東南アジアでは回避していたことが、朝日新聞が情報公開で入手した外交文書や政府関係者への取材で分かった。韓国以外でも調査を進めるという当時の公式見解と矛盾するものだ。
「河野談話」が出る直前の93年7月30日付の極秘公電によると、武藤嘉文外相(当時)は日本政府が韓国で実施した被害者からの聞き取り調査に関連し、 フィリピン、インドネシア、マレーシアにある日本大使館に「関心を徒(いたずら)に煽(あお)る結果となることを回避するとの観点からもできるだけ避けたい」として、3カ国では実施しない方針を伝えていた。
日本政府は当時、内閣外政審議室長が「(調査)対象を朝鮮半島に限っていない」と答弁するなど、韓国以外でも真相究明を進める姿勢を示していたが、水面下では問題の波及を防ごうとしていたことになる。
杜父魚文庫
14256 日本を不当に傷つける朝日新聞 古森義久

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