14297 朝鮮半島での米中戦争の危険とは   古森義久

北朝鮮の金正恩政権が崩壊を想定しての対応策についてです。アメリカのランド研究所の調査報告です。
■北朝鮮の崩壊に備えよ、米国の研究機関が警報 米中が北朝鮮で全面戦闘の可能性も
米国や韓国が北朝鮮崩壊という非常事態に適切に対処しないと、朝鮮半島だけでなく中国や日本をも巻き込んで東アジア全体での重大な混乱が生じ、さらには危機を招くこととなる、という警告も強調していた。
同報告の骨子を紹介しよう。
【北朝鮮の独裁政権が、予見しうる将来、終焉を迎えるという展望はかなり確率が高い。その場合に起きうる事態は以下となる】
・北朝鮮がいくつかの派閥勢力に分かれ、内戦が起きる。その内戦は周辺諸国に飛び火しうる。日本や米国でさえも北朝鮮による大量破壊兵器の使用やテロ攻撃の標的になりうる。
・北朝鮮の既存の大量破壊兵器が実際に使われる。あるいは他の第三者に売られる。
・内戦による混乱の結果、食糧、医薬品、その他の必需品の不足が深刻となり、1990年代半ばの飢餓よりも大規模な人道的被害が生じる。
・大量の難民が北朝鮮から中国や韓国に流入し、非常に不安定な状況を引き起こす。
・以上のような事態は中国の北朝鮮への軍事介入をもたらし、韓国軍や米軍との偶発的な衝突を含む戦闘を起こしかねない。
【韓国や米国が北朝鮮に軍事介入し、やがては南北統一を目指す。その過程で起きる事態や配慮すべき点は以下となる】
・米韓軍が北朝鮮へ介入する際は、人道的援助を提供し、内戦を止め、北の軍隊や治安機関を非武装化することを当面の目標とすべきである。同時に北の核兵器など大量破壊兵器を確保し、政治犯を解放することも重要目的となる。
【米韓軍の北朝鮮への介入に必要な事前の計画や準備は以下となる】
・韓国軍は今後の規模縮小が決まっているが、その計画を再検討する。
・米韓両国政府は北朝鮮への大量の人道的援助が必要となるため、その事前の備蓄や組織編制が不可欠となる。
・他の諸国、特に中国との調整が必要となる。(つづく)
杜父魚文庫

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