14336 安倍首相はいつ靖国に参拝するか   古森義久

靖国神社の秋の例大祭には160人という記録破りの国会議員が参拝しました。しかし安倍首相の参拝の姿はありません。靖国参拝について考えるための記事を紹介します。
安倍晋三首相は19日、自身の靖国神社参拝について「第1次安倍政権で参拝できなかったことを『痛恨の極み』と言った気持ちは今も変わらない」と述べ、 改めて参拝に意欲を示した。
また、「国のために戦い、倒れた方々に手を合わせて尊崇の念を表し、ご冥福をお祈りする気持ちは今も同じだ。リーダーとしてそ ういう気持ちを表すのは当然のことだ」とも語った。
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視察先の福島県南相馬市で記者団の質問に答えた。
首相は昨年12月の就任以降、まだ靖国に参拝していないため、早期の参拝を望む一部の支持者らからは失望の声も漏れ始めている。
一方、実弟の岸信夫外務副大臣は19日、靖国に参拝した。周辺は今回、首相が改めて不参拝を「痛恨の極み」と述べたことをとらえ、「これはいずれ参拝するという意味だ」と断言する。
「今年中に必ず行く」
首相自身も最近、周囲に淡々とこう語った。また、靖国参拝に反発する中国、韓国との関係についても「しばらく首脳会談がなくても別にかまわない」との考えも示している。
それでは、靖国を重視してきた首相はなぜ、支持者の落胆を覚悟してまでこれまで参拝しなかったのか。
一つには、「英霊として祭られている方々にしてみれば、静かにしておいてもらいたい」(盟友の麻生太郎副総理)との考えから、靖国参拝が外交問題や政治問題になるのはできるだけ避けたいとの意向がある。
さらに、国家安全保障会議(日本版NSC)創設関連法案や、特定秘密保護法案など重要法案を臨時国会で確実に成立させるには、靖国参拝を嫌う公明党の協力が欠かせないという事情もある。
ただ、あまり参拝を引き延ばすと新たな阻害要因が生じるかもしれず、「タイミングを失い行けなくなりかねない」(自民党中堅)と危惧する向きもある。
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【主張】靖国神社 やはり首相は直接参拝を
安倍晋三首相は靖国神社の秋の例大祭に「真榊(まさかき)」を奉納した。
春の例大祭に続いて今年2度目となる。真榊奉納は戦死者らの霊に哀悼の意をささげる重要な行為だが、やはり首相自身が直接、靖国神社に参拝してほしい。
安倍首相は「どこかのタイミングで参拝することは決めている」と周囲に話している。17日から始まった例大祭は20日まで行われている。秋の例大祭は4月 の春の例大祭、8月15日の終戦の日に続く3度目の節目にあたり、首相が参拝する大きなチャンスだ。仮に例大祭でなくても首相はいつでも機会をとらえて靖 国神社に参拝してほしいと、多くの遺族や国民は願っている。
毎年1回、計6回の靖国参拝を実行した小泉純一郎元首相は例大祭や終戦の日以外に、元日や平日の1月14日を参拝日に選んだ。
小泉政権の後、首相の靖国参拝が途絶えているのは、極めて残念なことだ。安倍首相は第1次政権時に参拝しなかったことを「痛恨の極み」と重ねて悔いている。第2次政権で首相が靖国参拝を果たすことは、第1次政権時からの大切な宿題の一つともいえる。
繰り返すまでもないが、首相が国民を代表して、靖国神社にまつられている戦死者の霊に尊崇の念を表することは、国の指導者として当然の務めである。国を守る観点からも、必要なことだ。
首相周辺では、首相の靖国参拝に反対する中国や韓国への配慮に加え、日中、日韓関係の改善を求める米国の反応を心配する空気も強いといわれる。しかし、首相が第一に考えるべきことは、外国の思惑より、国民および戦死者らとその遺族ではないか。
今回、安倍首相の真榊奉納に対しても、韓国は「深い憂慮と遺憾を表明せざるを得ない」と批判する論評を出し、中国は「侵略の歴史を正視、反省し、適切に問題を処理する」よう求めた。日本は中韓の内政干渉に抗議すべきだ。
閣僚では、新藤義孝総務相が秋の例大祭に参拝した。古屋圭司拉致問題担当相も例大祭の期間中に参拝する意向だ。また、平成に入ってから最多の国会議員157人が参拝した。内閣からも、加藤勝信官房副長官や西川京子文部科学副大臣らが参拝した。
多くの政治家が普通に靖国神社に詣でる以前のような光景が戻りつつあることは、歓迎したい。
杜父魚文庫

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