■信用リスク拡大を懸念する声も
<[上海 22日 ロイター] – 市場筋によると、中国人民銀行(中央銀行)は22日、先週17日に続いてオペ(公開市場操作)を見送った。規制当局は、潤沢な資金供給が再び危険な信用拡大につながると警戒しているもようだ。
中国の短期金利は、第3・四半期末以来大幅に低下しており、7日物レポ金利(加重平均)は過去8営業日で約1%低下した。上海銀行間取引金利(SHIBOR)7日物も同様の動きを見せている。
トレーダーやエコノミストの間では、現在の潤沢な流動性は、6月下旬の銀行間市場の信用ひっ迫を意識した人民銀行のジェスチャーとみられている。当時の金利急騰は、リスクを伴う融資の抑制を銀行に促したものとみられていた。
金利上昇は短期間で落ち着いたものの、市場は一時パニック状態に陥り、人民銀行は政府から警告を受けたとされている。ただエコノミストは現状について、人民銀行が反対方向に行き過ぎている可能性を懸念している。
第3・四半期の経済成長率は投資にけん引され過去1年で最も大幅な伸びとなったが、信用拡大の再燃がインフレ加速につながる兆候も散見されている。
9月のインフレ率は3.1%と7カ月ぶりの高水準だった。9月の住宅価格も前年比9.1%の上昇で、9カ月連続の上昇となっている。
定例オペは24日にも行われるが、市場では人民銀行の様子見姿勢を指摘する声が多い。22日の7日物レポ金利は3.56%、他の短期金利も3%台にとどまっており、良好な状況とされている。
今週は差し引きで580億元の資金が吸収される見通し。前週は差し引きで445億元の資金が吸収されていた。(ロイター)>
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14363 中国人民銀が再びオペ見送り 古澤襄

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