■ロスネフチ、中国のシノペック・グループに2014年から石油供給
素人考えだが、ロシアが中国に2014年から10年にわたり日量20万バレル、計1億トンの原油を供給することで合意したことは、日本とロシアの経済協力に影響を与える気がする。
爆発的にガソリンの使用量が増えている中国にしてみれば、政情不安をかかえているシリア情勢が中東原油に影響を与える不安感がある。ロシア原油の供給量を増やすのは国益にかなう。
ロシアはどうか。日本との間にある北方領土問題を双方が合意できる解決をして、日ロ経済協力を進めるのがプーチン大統領の描く図であろう。すでに中国との間にパイプラインを建設し、原油の供給を行っているので、次は日本に対するエネルギー供給とみられていた。
それが、突然、中国に対して将来は日量100万バレル以上を輸出する方針に変更されたのは何か。四島の一括返還を求める日本の壁が厚いとみて、中国との協力関係の強化に動いた気がする。対日強硬派のメドベージェフ首相が折から北京を訪問しているのも気になる。
<[モスクワ/北京 22日 ロイター]ロシアの国営石油会社ロスネフチは22日、中国石油化工集団(シノペック・グループ)に2014年から石油の供給を開始する計画であることを明らかにした。
2社は供給開始に先立った支払いについて覚書(MOU)を交わした。2014年から10年にわたり日量20万バレル、計1億トンの原油を供給することで合意した。総額は850億ドルとみられる。
ロスネフチのイーゴリ・セチン最高経営責任者(CEO)は声明で、「この合意はロスネフチが、探査・生産プロジェクトや必要なインフラの建設のために追加的資金を調達する際に役立つことになる」と述べた。
同CEOは中国に日量100万バレル以上を輸出することを目指している。
北京を訪問中のロシアのメドベージェフ首相はロスネフチとシノペックの合意について、「これは中国を含むいかなる国にとっても、大きな額だ」としたうえで、「われわれの協力が新たな次元、より高い次元に達したことの証左だ」とコメントした。
中国の李克強副首相は、「通商上の協力は非常に重要であり、先延ばししてはいけない」と語った。
アナリストは、シノペックとの合意により、ロスネフチがシベリア東部の油田開発を進め、パイプライン経由の中国への輸出を現在の日量30万バレルから増加させる必要に迫られるとみている。
これとは別に、ロスネフチは天津市にある中国石油天然ガス集団(CNPC)との精製合弁会社に原油を供給することでCNPCと合意したと、北京で発表した。
ロシアの独立系天然ガス企業ノバテクはまた、1年当たり300万トンの液化天然ガス(LNG)をCNPCに供給することで合意した。期間は15年で、価格は日本の輸入原油価格の平均値を基に決定される。
一方、ロシア国営ガスプロムは中国にパイプライン経由で380億立方メートルの天然ガスを供給するのに向け、価格の算出方法について合意したことを明らかにしたが、最終的な額について合意がなされていないため、協議は2014年まで続く公算が大きい。(ロイター)>
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