■週明けから開会中外遊
<安倍晋三首相は28~30日、トルコを訪問する。首相が国会開会中の平日に外遊するのは、国際会議への出席などを除けば異例。首相の国会出席を減らし、首脳外交を充実させる国会改革を先取りした格好で、野党第1党の民主党も政権を担当した経験から一定の理解を示している。
日本の首相は外国首脳と比べ、国会審議への出席日数が突出して多く、しばしば外遊の妨げとなってきた。学識経験者らでつくる「日本アカデメイア」によると、2011年の首相の国会出席日数は127日で、仏独の10倍以上。野田佳彦前首相は国会の制約から、日程を短縮して国際会議に出席したこともあったほど。菅義偉官房長官は23日の記者会見で「国益を考えたとき、ぜひ国会改革は必要だ」と訴えた。
首相のトルコ訪問について、民主党は賛否を決めていないが、同党幹部は「首相が外遊しやすい環境をつくることは与党時代から議論してきた。一定の配慮が必要だ」と話す。衆院議院運営委員会は25日の理事会で了承する見通しだ。
今年5月に訪れたばかりのトルコ再訪は「首相の強い意向」(政府関係者)。首相が前面に出て原発建設受注を働き掛けるなど、トルコを戦略的に重要なパートナーと位置付けているためだ。
首相は先の所信表明演説で、就任から既に23カ国を訪問したことを紹介し、「これからも積極果敢に国益を追求する」と強調。11月中旬にはカンボジア、ラオスを訪れ、来年1月にはアフリカやインド訪問も検討するなど首脳外交を積極的に展開する方針で、国会改革の実現も急いでいる。(時事)>
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