14411 米国の衰退は東亜の危機 Andy Chang

米国はデフォルトを免れた政府機能は回復したと喜んでいるが、不毛な政治は続いていて、国家負債は17兆ドルを突破した。それにも拘らずオバマは歳費削減を拒否し軍事力は明らかな衰退を見せている。バリ島で行われたG20にオバマが欠席したため習近平は早速アジアの覇主を主張し始めた。アメリカは中東とアジアに於いて確実に影響力を失いつつある。
今はアメリカの衰退を喜ぶ時ではない。東亜の安全はアメリカが守っているし敵は中国である。米国の衰退が中国の覇権進出を招くようなことがあってはならない。今こそ諸国が自己防衛力を増強してアメリカの負担を軽くする時である。
●オバマが米国衰退の元凶
オバマは不都合なことはすべて他人の責任にする。オバマケアのエゴに拘って共和党の予算案を17回も拒否したが、オバマケアが実施された当日からコンピュータープログラムが故障して契約できない問題が起きた。オバマ政府は一ヶ月前からプログラムに問題があることを知っていながら強引に実施したのである。
米国衰退の責任はオバマにある。国防費を削減しても国内のバラマキ歳費削減を拒否する。オバマは国内でいろいろな問題を抱えており、国会と協調を拒否するため政治不毛が続き、国防費カットで軍事力は半減した。個人のエゴのため故障だらけのプログラムでオバマケアを実施し、その他いろいろな問題もあり国政が麻痺している。
●米国の曖昧政策が中国の増長のもと
東亜問題とは「中国の覇権進出」である。SFPTで日本が主権放棄をした各地の領土に中国が侵略した南沙、西沙諸島、台湾澎湖、尖閣諸島、いずれも中国の覇権進出で揉めている。
台湾独立、日本の靖国参拝、憲法改正などは、中国を恐れたアメリカが現状維持を要求して未解決問題を曖昧にしてきたのである。曖昧政策とは「中国の嫌がることはやらない政策」である。つまり、米国の曖昧政策が中国の増長を招いたのである。米国は1972年以来東亜の諸問題について何もしなった。いまでは「アジア回帰」を宣言しても実行力がない。
●台湾を失えば東亜全体と太平洋を失う
東南アジアの地図を見るとわかるように台湾は東南アジアの中央にある。アメリカの防衛は第一列島線(First Island Chain)と呼ぶ。日本、沖縄、台湾、フィリッピンを繋ぐ中国の進出防止線である。だが今では台湾を中国側に移し、台湾を除外した形となっている。
台湾が中国に併呑されたら防衛線は無力となる。台湾海峡は浅い海で潜水艦は簡単に発見できるが、中国が台湾を併呑したら台湾の東側は太平洋で、台湾東岸を出た潜水艦の発見は難しくなる。
中国が台湾を併呑したら中国艦隊は台湾東岸から太平洋に出られる。アメリカはグアムやハワイまで後退する。台湾海峡の交通路線を失えば日本、韓国の経済は干上がる。フィリッピンやベトナム、マレーシア、シンガポールまで中国の勢力圏に入ってしまう。台湾を失ってはならない。
●アメリカの台湾政策
アメリカの台湾政策は大別して三つある。「台湾関係法」の他に「三つのノー、(1)台湾独立を認めない、(2)台湾政府を承認しない、(3)台湾の国際機関への加盟を支援しない」と「レーガンの六つの保証」である。このうちクリントンが買収されたといわれている「三つのノー」が台湾に大きなダメージを与えた。
三つのノーとは1995 年、民主党のビル・クリントン大統領が江沢民・国家主席に送った秘密書簡の中で明言した米国の対台湾政策である。後任のブッシュ政権は「三つのノー」の継続を中止した。しかしブッシュの台湾政策は大体同じように約束を守っている。
これは台湾独立に不利で、同時にアメリカの台湾政策にも足枷をはめたようになっている。
つまりアメリカは、1972年に中国と国交回復に向けて交渉を始め、中華民国と国交を放棄しただけでなく、今日に至るまで台湾人の国際的地位未定の主張を無視した行動を取り続けているのだ。クリントンはこの関係を更に悪化させた。ブッシュは中国の台湾領有権を承認しない代わり、中国と中華民国(台湾ではない)の両岸問題の平和的解決を主張するが、台湾人の人権を完全に無視した政策である。オバマは就任して5年、台湾問題にタッチしていない。
●中国の進出を抑えるには
中国はアメリカの東亜政策を完全に把握し、台湾には武力恫喝でなく経済融和と中国移民、南シナ海で武力進出で未解決領土の島々の占領、尖閣諸島付近では石油掘削と漁船の浸入など、いろいろな方法で侵略を進めている。アメリカはほとんどノータッチである。
アメリカは中国が嫌がることはしない、つまり無策であるため中国が勝手な主張、勝手な進出をしてもアメリカは阻止できない。中国は常に二国間交渉で領土問題を解決すると主張する。この主張はアメリカの介入を排除し、二国間交渉とは強国が弱小国の主張を無視するだけである。
●今こそ自立強国となるとき
中国こそがアジアの平和を脅かす存在であることを明確にし、東亜諸国は連合して対抗しなければならない。東南アジア平和連盟(PASEA)とは諸国が連合してSFPTの未解決領土問題を解決することである。中国はアメリカの東亜回帰、諸国の連盟を最も恐れる。
アメリカの衰退は諸国が立ち上がる時である。中国が東亜の覇主になったら大変だ。日本やフィリッピン、ベトナムなどの第一列島線の国々が防衛力を増し、台湾は中華民国打倒で独立すべきだ。東亜諸国の自衛力増強は中国の覇権を阻止するためで、アメリカにとっても有利である。
杜父魚文庫

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