14413 米政府筋、日本の賛同に批判的見解   古澤襄

■「核不使用」共同声明
<【ワシントン=青木伸行】国連総会第1委員会(軍縮)の「核不使用」を訴える共同声明に日本が賛同したことについて、米政府筋は、名指しは避けつつ批判的な見解を示した。
政府筋は「核兵器使用がもたらす深刻な結果を、十分に理解している」と指摘。その上で「核軍縮に『応急処置』はない。このような(共同声明の)努力は、イランや北朝鮮のような核不拡散体制への脅威から焦点をそらせつつ、核兵器全廃への非現実的な期待を高める」と指摘した。
共同声明は21日に発表された。「核のない世界」を掲げるオバマ大統領の核政策はその実、「核のある世界」という現実に重きを置いている。
東西冷戦時代の「核の恐怖の均衡」から、冷戦後は「核拡散の脅威」へと国際環境が大きく変化した中で、核戦力レベルの低減と核不拡散を追求しつつ、米国と同盟国の確実な核抑止力を維持するというのが、政権の基本政策だ。
こうした観点からすれば、声明も日本の賛同も「非現実的」と映り、「(核不拡散への)着実な取り組みが安定性を増大させ、核の危険性を低減させる最も効果的な方法」(政府筋)ということになる。
一方、カーネギー平和財団のジェームズ・ショフ研究員は「日本は『いかなる状況下でも核は使われない』とは言えまい。北朝鮮の核攻撃に対し、米国が日本に代わり核で報復することは、政策の選択肢であるからだ」と指摘する。

この問題について、米政府は公式な見解を表明していない。背景として、(1)決議ではなく、委員会レベルの声明である(2)実態として日米安保体制と、日本が「核の傘」の下にある現状、米国の核戦略に影響がない(3)米国は日本に原爆を投下した当事者であり、「核廃絶」を目指す日本の立場は理解できる-ことなどがあるとみられる。(産経)>
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