14499 来日のショイグ・ロシア国防相 プーチン忠臣  古澤襄

北方領土問題が未解決なため日本とロシアの間では平和条約が締結されていないが、その状況下で双方の外務・防衛相が東京で”異例の閣僚協議(2+2)”を行った。
自衛隊とロシア軍の共同訓練の拡大など海洋安保の強化で合意し、北朝鮮の核放棄に向け連携して努力することでも一致した。
時事通信はモスクワから「人気高いプーチン氏忠臣=来日のショイグ・ロシア国防相」とロシア国防相の横顔を伝えている。ロシア国内ではラブロフ外相より人気がある。
北方領土についてはラブロフ外相が日本の外交当局に対し、トップ同士の外交に水を差すことなく、実務的な協議を進めるよう示唆したが、依然として日ロの隔たりは埋まっていないのが現状である。
東京における日ロ外務・防衛閣僚協議は、岸田外相が発言したように「日ロ関係に新たなページを開く」ものであるのは間違いないが、突出し過ぎると米国や中国の疑念を招くおそれがある。このあたりのサジ加減が外交交渉の妙味といえるが、安倍外交の強かさをみせる良い機会といえる。
<【モスクワ時事】日ロ外務・防衛閣僚協議(2プラス2)のため来日したロシアのショイグ国防相(58)は、ロシア国内でプーチン大統領に次いで2番目に人気の高い政治家として知られる。国防相の日本訪問は実に10年ぶりで、日本外務省も「日ロ関係強化に生かしたい」と重視している。
ショイグ氏は、モンゴルに近いシベリア・トゥワ共和国に生まれ、父親が少数民族トゥワ系。エリツィン政権時代の1994年から18年間、非常事態相を務めた。自然災害や旅客機墜落などのたびに「危機対策本部長」としてテレビに登場し、陣頭指揮ぶりは国民に浸透。世論調査の支持率はラブロフ外相をしのぐ。
プーチン大統領復帰後の2012年4月にモスクワ州知事に転身。防衛企業汚職事件をめぐるセルジュコフ前国防相の更迭を受け、軍の信頼回復を背負って同年11月に後任に任命された。
プーチン氏にとっては寡黙で忠実な部下であり、信頼も厚い。大統領公邸の愛犬のラブラドルレトリバー「コニー」は、もともと非常事態省の救助犬をショイグ氏がプレゼントした。また、プーチン氏は13年夏の休暇をショイグ氏とトゥワ共和国で過ごした。
国防相の外遊は少なく、友好国や2プラス2相手国に限られる。来日は03年のイワノフ元国防相(現大統領府長官)以来。日本側はショイグ氏を最重要政治家の一人と位置付け、安全保障を含む日ロ関係発展への役割に期待している。(時事)>
<日本とロシアによる初めての外務・防衛閣僚協議(2+2)が、東京都内で開かれ、自衛隊とロシア軍による共同訓練の拡大などで合意した。
岸田外相は「日ロ関係に新たなページを開く、2+2のよいスタートが切れた」と述べた。協議では、自衛隊とロシア軍で、新たにテロ・海賊対処の共同訓練を行うことや、サイバー安全保障協議を設置することなどで合意した。
一方、ロシア側からは、アメリカのミサイル防衛システムについての懸念が示された。
また、中国をめぐっては、岸田外相が「今後も、中国側に自制を求め、対話を通じた関係改善を呼びかける」と、日本政府の立場を伝え、北朝鮮については、核の放棄に向けて、連携して努力することで一致した。
そして、次回の2+2については、ロシア側から、2014年、ロシアで開催したいとの提案がされた。
このあと、安倍首相が、ロシアのラブロフ・ショイグ両大臣を首相公邸に招き、平和条約交渉を進展させたいとの意向を伝えた。(フジニュース・ネットワーク)>
杜父魚文庫

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