14667 韓国メディアも批判する朴大統領“慰安婦演説行脚”   古澤襄

■孤立?世論調査は「日韓首脳会談」に賛成58%
韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が今月2~8日の日程で英仏など欧州を歴訪し、欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)などで首脳らと会談した。この行脚中、朴大統領は「従軍慰安婦問題」を述べ、欧州メディアとのインタビューでも言及するなど相変わらずのご様子だ。ところが韓国のメディアが反日行動をいさめるような論調の記事を掲載。ひょっとして朴大統領の爆走ぶりに辟易(へきえき)しているのだろうか。
■英BBCが世界に配信
李明博(イ・ミョンバク)前大統領が昨年8月、竹島(島根県)に上陸して以降、日韓関係は悪化の一途。朴大統領も日本への理不尽な誹謗(ひぼう)中傷をやめようとはしない。
朴大統領は2日付の仏紙フィガロで「(日韓)両国の関係を未来志向の関係に発展させたいが、一部の日本政治家たちが過去の歴史について度々、退行的な発言をして残念だ」と語った。4日のオランド仏大統領との会談でも慰安婦問題をアピールした。
また、英国BBCが4日の電子版に掲載したインタビューでも日韓関係改善を困難にしている理由に慰安婦問題を挙げ、「そういう問題が一つも解決されず、日本が考えを全く変えるつもりがない状況で、歴史認識について日本の一部指導者が今後もそういう発言を続けるなら、会談しない方がましだ」と述べた。 
記事の表題は「韓国の朴大統領、日本との対話は『無駄』」。このインタビューはインターネットで世界に配信されている。
■メディアも引く“強硬さ”
欧州行脚の期間中、韓国メディアが示した微妙な反応が興味深い。大手の朝鮮日報は3日、「週末ニュース部長」のコラムでこんな意見を掲載した。
「冷静に振り返ってみると、今の韓日関係は李明博前政権の遺産だということが分かる。現在の大統領がなぜこの遺産だけは清算しないのか理解に苦しむ」「今の韓国が当時よりもかたくなにならざるを得ない理由は何だろうか。歴史は歴史、外交は外交ではないか」
前段に「日本の非道さに屈服するほど今の韓国が劣っている訳でもない」と微妙な“フォロー”も入ったが、朴大統領の強硬な反日ぶりを懸念する空気が漂う。
中央日報は8日、ワシントン駐在のコラムで、米国の財政難に伴う軍縮に関連し「もう一つの同盟の韓国が日本の軍事力強化に反対するが、米国としては厄介なだけだ」とし、米韓関係悪化が対北朝鮮防備に影響することを懸念した。
これらのコラムは、韓国ではどういう趣旨に受け取られたのだろうか。
■朴大統領は空気を読めない
もっとも、朴大統領にこうした雰囲気は届いていなかったようだ。帰国を前にした8日の記者会見で、「(日韓の)首脳間で会談を開く度に、両国関係が改善し、何か良い話があることを望むが、もしそうでなければ両国関係がさらに悪化するのではないか心配だ」と話した。
「日本政府の前向きな態度をう回的に促した」(中央日報)ことになるらしい。だが、日韓関係がまったく進展しない最大の理由は、大統領就任から8カ月が経過しても行動らしい行動をみせていないことにある。日韓首脳会談は今をもって実現していない。
朴大統領は就任後、米、中、仏、英、露と国連安全保障理事会常任理事国を訪問。韓国は対北朝鮮での安全保障はもちろん、貿易や経済政策など諸問題を抱えているはずだが、これらをさておき日本批判に執着する外交は奇っ怪そのものだ。
ウォールストリート・ジャーナルによると、ソウルにあるシンクタンク、アサン政策研究所が行った「日韓首脳会談の開催に関する世論調査」(8月30~9月1日)で、支持は58%、反対は35%だったという。
ひょっとして、朴大統領は孤立していないか?国民に見放された政権が長続きしないのは、日本で民主党が示した通り。仮に放置したところで、早晩韓国の反日政治は分解する気がするのだが。
(産経)>
     
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