■米景況感の回復確認で高値更新が視野に
<[東京 29日 ロイター]来週の東京株式市場は強含みで推移しそうだ。世界的な株高基調が続く中で、米景況感の回復が明らかとなれば、リスクオンの地合いが一段と強まりやすい。ドル高/円安の進行とともに、日経平均の年初来高値更新も視野に入るという。
短期的な過熱感などが上値を押さえそうだが、強気のセンチメントが続く限り、大幅な下押し懸念は乏しいとみられている。日経平均の予想レンジは1万5300円─1万6000円。
米ダウ工業株30種.DJIや独DAX指数.GDAXIが最高値を連日更新し、日経平均も28日に終値ベースの年初来高値を更新、約6年ぶりの高値水準を回復した。世界的な金融緩和継続期待からリスクオンの地合いが維持され、株高基調が続いている。足元では米景気の改善期待が株価の押し上げに寄与しており、12月2─6日に発表が相次ぐ米経済指標に注目が高まっている。
市場コンセンサスでは、米経済指標はおおむね良好な数値となる見通しで、米景気の改善が確認されれば、株高・ドル高が進行する可能性が高い。海外ヘッジファンドなど短期筋による日本株買い・円売りの動きが強まれば、日経平均は5月23日の年初来高値1万5942円更新も視野に入るという。仮に米経済指標が下振れても「米金融緩和縮小が先送りされるとの見方が強まり、株価のマイナス材料にはなりにくい」(国内証券)とみられている。
楽天経済研究所シニア・マーケットアナリストの土信田雅之氏は「良好な米景気に加え、堅調な国内企業業績を背景に、日本株の下値不安は乏しい。年内は日経平均1万4500円─1万5500円がコアレンジだが、需給次第で1万6000円回復も視野に入る」との見方を示す。
一方、短期的には過熱感が強いままだ。25日移動平均線(1万4811円01銭=29日)とのかい離率はプラス5.74%となっており、警戒域での推移が続いている。上昇ピッチの速さから目先はスピード調整入りを見込む声は少なくない。裁定買い残が11月22日時点で4兆0575億円と、5月17日時点以来、約半年ぶりに4兆円に乗せており、裁定解消売りを警戒する見方もある。
もっとも、市場からは「センチメントの問題で、このまま為替が円安含みで推移するなら株高基調は変わらない」(ちばぎんアセットマネジメント・調査部長の奥村義弘氏)との声が聞かれており、下値不安は乏しそうだ。11月中旬からの急ピッチな上昇相場で買い遅れた投資家も多いとみられ、押し目買いに対する需要の強さも下支えするとみられている
国内では2日に7─9月法人企業統計が発表される。3日には楽天が東証1部に市場変更する。
米国では2日発表の11月ISM製造業景気指数や4日の11月ADP全米雇用報告と11月ISM非製造業景気指数、6日の11月米雇用統計などが注目される。(ロイター)>
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14760 来週の日本株は強含み 古澤襄

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