14795 北朝鮮実力者の張成沢氏「失脚」か   古澤襄

■韓国情報機関・国家情報院が公表
北朝鮮・金正恩第1書記の叔父で、事実上「ナンバー2」といわれた実力者の張成沢(チャン・ソンテク)国防副委員長が失脚した可能性が高いと韓国情報機関が明らかにした。
張成沢側近二人も公開処刑されたという。
事実とすれば北朝鮮の権力構造で深刻な内部抗争が繰り広げられていることになる。ソウル時事は張成沢氏が崔竜海・軍総政治局長との権力闘争に敗れた観測も出ていると伝えた。
いまのところ韓国情報しかないが、バイデン米副大統領が訪中すれば中国側情報との突き合わせが焦点となろう。ロシア、フランスの情報も見極める必要がある。
穏健派といわれた張成沢氏の下で軍強硬派の更迭があったが、それに対する崔竜海・軍総政治局長ら軍部の反撃とみる説もある。若い金正恩第1書記の下で軍強硬派が主導権を握れば、韓国に対する威嚇や武力行使がエスカレートするおそれがある。
<【ソウル聯合ニュース】北朝鮮・金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の叔父で実力者の張成沢(チャン・ソンテク)国防副委員長が失脚した可能性が高いと、韓国情報機関の国家情報院が3日、明らかにした。
国家情報院は「先ごろ、朝鮮労働党行政部内で張氏最側近に対する公開処刑が先月下旬ごろ行われたことを確認した。張氏も失脚した可能性が濃厚だ」とした。公開処刑された2人は李龍河(リ・ヨンハ)行政部第1部長、張秀吉(チャン・スギル)行政部副部長で、北朝鮮では関連組織と関係者に対する後続措置が進んでいるという。
金正恩政権発足後、事実上「ナンバー2」の役割を果たしてきた張氏の失脚が事実なら、北朝鮮の権力構造が大きく変わるとみられる。
北朝鮮は内部的に張氏側近の公開処刑内容を知らせ、金第1書記に対する絶対忠誠を強調する思想教育を実施しているという。
国家情報院は「現在、張氏はすべての職務から解任された可能性が高く、党行政部は機能が無力化したか、解体された可能性がある」と分析した。
失脚の背景はまだ確認されていないという。(韓国・聯合)
<【ソウル時事】韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は3日、北朝鮮の金正恩第1書記の「後見人」とされてきた張成沢・国防委副委員長が失脚したとみていることを明らかにした。張氏の側近2人が公開処刑され、軍内部で公示された。張氏は消息不明になっているという。国情院から報告を受けた国会情報委員会の議員が発表した。
2人の側近は労働党行政部長を務める張氏の「片腕」と呼ばれた第1副部長と副部長で、11月下旬に何らかの不正など反党行為で処刑された。
張氏は、故金正日総書記の実妹、金慶喜党書記の夫で、金総書記時代から公安機関を統括する行政部長として活動してきた。2008年に金総書記が脳卒中で倒れた後は、最有力者として金第1書記の後継体制確立に大きな役割を果たした。失脚が事実なら、金正恩体制の動揺と権力構造の変化は必至だ。崔竜海・軍総政治局長との権力闘争に敗れたとの観測も出ている。(時事)>
<北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の叔母・金敬姫〔キム・ギョンヒ、金正日(キム・ジョンイル)総書記の妹〕の夫である張成沢(チャン・ソンテク)国防委員会副委員長が最近失脚したというニュースが伝えられた。張成沢の周辺人物も公開処刑されたことが分かった。
3日、国会情報委員会所属の民主党幹事である鄭清来(チョン・チョンレ)議員は「北朝鮮の動向に関して重大かつ甚大なことが起こった。北朝鮮の張成沢が失脚したと見られる。張成沢の右腕と左腕だったイ・ヨンハ行政府第1副部長とチャン・スギル行政府副部長の2人が先月中旬、公開処刑された」と明らかにした。張成沢は先月中旬以降、行方が分からない状態だと説明した。
鄭議員は「張成沢と夫人の金敬姫は、金正恩を支えていた重要な核心権力だった。張成沢が失脚したとすれば、北朝鮮の権力図は非常に大きな変化として揺れ動くだろう」と付け加えた。さらに「北朝鮮専門家の西江(ソガン)大学政治外交学科のキム・ヨンス教授は、張成沢が総政治局長の崔竜海(チェ・ヨンヘ)との権力闘争で追いやられたようだと分析した」と話した。
(韓国・中央日報)>
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