■北序列2位失脚:対韓国強硬路線・挑発行為の可能性も
<北朝鮮の張成沢(チャン・ソンテク)国防委員会副委員長(朝鮮労働党行政部長)が失脚した可能性が高まる中、韓国政府は北朝鮮の権力構図変化が南北関係に及ぼす影響に神経をとがらせている。北朝鮮の権力の中心が軍部に移動すれば、当分の間は対韓国強硬策に打って出る可能性が高いため、経済改革・開放政策にもブレーキがかかるとの見方が出ている。
■4回目の核実験などで挑発する可能性も
張成沢氏の消息が分からなくなった後も、北朝鮮の対韓国政策に目に見えるような変化はない。南北は先月29日、開城工業団地で77日間中断されていた南北共同委員会「通行・通信・通関(3通)小委員会」を開いた。国防部(省に相当)関係者は「北朝鮮軍の動向でも特異な点は観察されていない」と述べた。
しかし、情報機関関係者は「張成沢氏が消えた後、崔竜海(チェ・ヨンヘ)朝鮮人民軍総政治局長が勢力を伸ばすなら、強硬策を取る可能性が高まる。4回目の核実験や長距離ミサイル発射などを強行するかもしれないため、万一の場合に備えている」と語った。統一部関係者は「張成沢氏の失脚が権力闘争の産物なら、南北関係に影響がないとはいえない」と言った。
専門家らは「北朝鮮は内部引き締めや体制維持のため外部との確執を深めるかもしれない。対外活動が盛んだった張成沢氏の不在は対韓国政策の硬直化につながる可能性がある」と分析している。高麗大学のチョ・ヨンギ北韓(北朝鮮)学科教授は「張成沢氏の失脚は、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が独自路線を今後強化し、自身の支配体制の維持・保護に集中していくためのものと受け取れる。そうなれば金正恩氏は南北間の危機を高めていく可能性がある」と述べた。
慶南大学のキム・グンシク教授は「張成沢氏の失脚がこれまでの『金一族』勢力後退や3回目の核実験(2月)を主導した新軍部エリートの前進を意味すると見るなら、今後、北朝鮮の対韓国政策は強硬になる恐れがある」との見方を示した。
だがその一方で、北朝鮮指導部が内部権力の取りまとめに集中するため、南北関係は空白期に入るという見方もある。世宗研究所統一戦略研究室のオ・ギョンソプ研究委員は「北朝鮮指導部が不安定な内部権力の収拾に力を入れれば、南北関係は変化でなく現状維持期間に入るだろう」と語った。(韓国・朝鮮日報)>
杜父魚文庫
14808 権力が軍部に傾けば4回目の核実験も 古澤襄

コメント