14829 中国防空圏、アジア緊張高まる   古澤襄

■ベトナム・オーストラリアなども警戒
中国が東シナ海に設定した防空識別圏(ADIZ)を巡り、韓国や台湾も反発を強めており、アジア地域の緊張が高まっている。
韓国は自国の防空識別圏を拡大して対抗する構えだ。中国は、東シナ海に続いて、南シナ海でも防空識別圏を設定する方針を示し、ベトナムやオーストラリアなども中国の動きを警戒している。
■【ソウル=中川孝之】韓国の朴槿恵(パククネ)大統領は6日にバイデン米副大統領と会談し、防空識別圏についても話し合う。韓国が自国の識別圏を拡大することに、バイデン氏が北東アジアの新たな火種になりかねないと懸念を示すとの観測もあるが、韓国は方針転換せず、今週中に拡大案を最終決定するとみられる。
金寛鎮(キムグァンジン)国防相は5日の国会答弁で、韓国の防空識別圏を中国と管轄権を争う暗礁・離於島(イオド)(中国名・蘇岩礁)を含む範囲まで拡大する方針を表明した。その理由について、金国防相は「国益を最大限に維持し、離於島の周辺海域を統制するため」と述べた。
朴政権は、蜜月関係にある習近平(シージンピン)政権が事前の相談なく、離於島を含む地域に識別圏を設定したことに「一方的で容認できない」と反発していた。離於島は日本の識別圏にも含まれ、日本との外交摩擦に発展する可能性もある。
この日の国会で、議員から中国や日本との緊張を一層高める事態にならないかと質問されたのに対し、金国防相は「周辺国に十分説明する」と話した。
■【ジャカルタ=梁田真樹子】ベトナム外務省のレ・ハイ・ビン副報道官は5日の定例記者会見で、中国の防空識別圏設定について「関係国の懸念も含め、強い関心をもって注視している」と述べ、中国への警戒感を示した。この問題でベトナムが公式に見解を表明するのは初めて。
南シナ海でベトナムと領有権を争っている中国は11月下旬、初の空母「遼寧」をこの海域に派遣するなど実効支配を強めようとしている。ビン副報道官は「(南シナ海での)全ての活動は、各国の主権と国際法を尊重すべきだ」と述べ、中国の活動をけん制した。
東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国は、中国に圧力をかける方針だ。オーストラリアも「現状を変更する威圧的かつ一方的措置」と批判し、同国のビショップ外相は6~7日の北京滞在中、中国の王毅(ワンイー)外相と会談し、この問題を取り上げる姿勢を示している。(読売)>
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