14891 12月日銀短観は大企業4四半期連続改善   古澤襄

■中小企業もプラス浮上
<[東京 16日 ロイター]日銀が16日発表した12月日銀短観では、大企業からか中小企業まで幅広く業況が改善、製造業・非製造業ともにプラスとなった。大企業は製造業・非製造業とも4四半期連続の改善。
注目されるのは、中小企業非製造業の景況感がバブル期の1992年以来のプラス浮上となり、景気回復が末端まで浸透しつつある点。円安が再び進行しており輸出企業を中心に業績が上方修正されたほか、公共事業や個人消費の好調などが背景。

先行き3月にかけてはやや悪化が見込まれている。デフレ脱却を占う企業の販売価格判断は景況感改善の割りにやや足踏み感が出ている。
●マインド改善末端まで浸透
業況判断DIは、大企業製造業で4ポイント改善し、プラス16となった。リーマン・ショック前の07年12月以来の水準にまで回復した。大企業非製造業は6ポイントの大幅改善。中小企業も製造業、非製造業ともにプラスに浮上。全規模で改善に広がりが出ている。特に中小企業非製造業は建設や小売などを中心に改善し、バブル期以来のプラスとなった。
●為替の前提、下期は2円近い円安シフト
企業が事業計画を立てる際の前提為替レート前回調査と比較し、上期が3円近く、下期は2円近い円安修正となり、輸出企業を中心に売り上げ・収益を上押しした。輸出売上高は年度計画で4%上方修正された。この結果、経常利益は、全規模全産業で7.5%の上方修正となった。
●物価上昇、販売価格・仕入れ価格とも足踏み感
物価の上昇を占う販売価格判断は、上昇傾向が足踏みとなった。製造業は2ポイント下落超過となり、前回の改善分がはく落した。非製造業も改善が止まり、横ばいとなった。
仕入れ価格判断は円安による輸入財や建設資材などの高騰で大幅に上昇してきたため、判断DIの水準自体は高水準となっている。ただ製造業に加え、今回非製造業でも上昇傾向は頭打ちとなり、下落超過となった。
●設備投資計画は大企業が下方修正、中小企業に勢い   13年度の設備投資計画は大企業全産業で前回から0.5%ポイント下方修正となった。前年度比4.6%増。12月短観の季節パターンでは通常、横ばいないし下方修正となるものの、昨年度12月調査よりも伸び率は低い。他方、中小企業は全産業で8.6%のしっかりとした上方修正となった。06年度以降の12月調査で最も高い伸びとなっている。(ロイター)>
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