■処刑の衝撃で健康悪化か
<【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の死去から2年を迎えた17日、平壌で中央追悼大会が開催されたが、「国家転覆陰謀罪」で12日に処刑された張成沢(チャン・ソンテク)元国防副委員長の妻、金慶喜(キム・ギョンヒ)朝鮮労働党書記は出席しなかった。
慶喜氏にとって、金正日総書記は生涯頼ってきた唯一の兄だ。昨年の追悼行事には出席したにもかかわらず今年姿を見せなかったことをめぐり、40年を共にした夫の処刑に衝撃を受けたためとの見方が出ている。
慶喜氏は若いころ夫婦仲が良くなく張氏と別居していたが、年を取るにつれ関係は改善し、張氏を支え金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の後継体制の確立と金正恩政権の発足に一役買った。その夫が金第1書記の決定で3代世襲構築の犠牲となったことは、慶喜氏に衝撃を与えるのに十分だったようだ。
慶喜氏は糖尿病やアルコール中毒などの持病に苦しんでいるとされ、張氏処刑のショックで行事に出席できないほど健康状態が悪化したとも考えられる。
ソウル大統一平和研究院の張容碩(チャン・ヨンソク)上級研究員は「張氏を処刑した金第1書記としては、むしろ慶喜氏を追悼大会に出席させることが張氏粛清の名分と妥当性を示すのに有利になるため、出席を止めた可能性は低い」と述べ、欠席の理由は健康状態だとの見方を示した。
ただ、慶喜氏の政治的な地位はこれまでと変わっていないとみられる。13日に病死した金国泰(キム・グクテ)党政治局員(中央委員会検閲委員長)の葬儀委員の名簿で、慶喜氏は6番目に名を連ねた。
金第1書記にしてみると、金ファミリーを指すいわゆる「白頭血統」の直系で、父の金正日総書記がとりわけかわいがっていた叔母の慶喜氏までも「張氏の妻」という理由で粛清すれば、張氏粛清の名分がなくなるだけでなく、叔母さえも排除した「残忍な指導者」と映りかねない。このため、北朝鮮は張氏の処刑前に張氏と慶喜氏を戸籍上で離婚させたとみられている。(韓国・聯合)
杜父魚文庫
14908 張氏妻が金総書記追悼大会欠席 古澤襄

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