14909 「北でクーデター、正恩氏逮捕」 中国でうわさ流れる 古澤襄

■ネットメディアの記事がSNS通じ拡散…根拠のないデマ
<「北朝鮮の崔竜海(チェ・リョンヘ)朝鮮人民軍総政治局長がクーデターを起こし、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が逮捕された」といううわさが16日、中国でソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じて急速に広まり、大騒ぎになった。結局、根拠のないデマだったことが分かったが、現在の北朝鮮の不安定な状況を反映したものだ、という見方が出ている。
この日午後、フェイスブックやツイッター(簡易投稿サイト)などでは、崔竜海氏が軍部隊を視察中だった金第1書記を逮捕、勾留したという、中華圏のインターネットメディア「多維」の記事が急速に広まった。
同紙の記事は15日夜に掲載されたもので「崔竜海氏が金第1書記を逮捕し、北朝鮮はクーデターが起こった状態だ」という内容だった。同紙はこのような情報の出所が、中国版ツイッター「微博」だと説明した。同紙の記者が、北朝鮮の住民や脱北者、中朝国境地帯に住む朝鮮族などが微博にアップした文章を見て、記事を作成したものと推定される。微博には昨年初めにも、何ら根拠のない北朝鮮でのクーデター説が書き込まれるなど、信ぴょう性のないうわさがたびたび書き込まれている。
問題の記事が出回ったとき、金第1書記は崔竜海氏と共に、最近死亡したキム・グクテ朝鮮労働党中央委員会検証委員長の元へ弔問に訪れていた。また、崔氏をはじめとする軍幹部はこの日、金第1書記に対し忠誠を誓っている。
だが、問題の記事はSNSを通じて中国国内に急速に広まった。一部では「(中朝国境に近い)中国吉林省延吉市の消息筋が、崔竜海氏によるクーデターや金第1書記の逮捕について確認した」という話も出たため、真偽をめぐって論議を呼んだ。
韓国統一部(省に相当)は「崔竜海氏がクーデターを起こす兆候は全くなかった。総政治局長は軍を監視するのが任務であり、軍隊を動員できる地位でもないため、クーデター説は説得力が全くない」と指摘した。
国防部の関係者も「現在、北朝鮮軍に異常な動向は全くない」と説明した。政府の関係者は「北朝鮮内部の者や脱北者などが流したうわさだった可能性が高い。だが、北朝鮮内部の混乱が予想以上に深刻だという意味とも考えられる」と語った。(韓国・朝鮮日報)>
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