14927 猪瀬都知事が辞任の意向   古澤襄

■午前中に記者会見で表明へ
<東京都の猪瀬知事が、徳洲会側から5000万円を受け取った問題などの責任を取り、辞任する意向を固めたことが分かりました。19日午前中に記者会見で明らかにする方針です。
猪瀬知事が医療法人・徳洲会側から5000万円を受け取った問題で、都議会はこれまで4回にわたって集中審議を行いました。しかし、猪瀬知事は、5000万円を受け取った経緯などについて発言を二転三転させ、あいまいな答弁を繰り返しました。このため、都議会は、嘘の証言をした場合、罪に問うことができる「百条委員会」を設置し、さらに追及を続ける方針でした。
都議会関係者などによりますと、こうした状況を受けて、猪瀬知事は辞任する意向を固め、午前中に会見で明らかにすることにしています。東京オリンピック招致を成功させるなどしましたが、就任わずか1年での辞任となります。(テレビ朝日)>
■猪瀬都知事 現金授受問題で辞意表明へ NHK
東京都の猪瀬知事は19日に緊急の記者会見を開くことになり、この中で、大手医療法人「徳洲会」グループ側から5000万円を受け取っていた問題を受けて辞職する考えを明らかにするものとみられます。
猪瀬知事は都知事選挙の告示日直前の去年11月、「徳洲会」グループから5000万円を受け取り、ことし9月に徳洲会が東京地検特捜部などの強制捜査を受けたあと全額を返却していました。
猪瀬知事は「受け取った資金は個人的な借入金だ」と強調し、徳田毅衆議院議員から受け取った際、書いたとされる借用書を公表するなどして公職選挙法で報告が義務づけられる選挙のための資金ではなかったと繰り返し説明してきました。
これに対して都議会は総務委員会で集中審議を行うなどして受け取った資金への認識や返却するまでの経緯などについて猪瀬知事を追及してきましたが「猪瀬知事の説明は二転三転し信用できない」として18日にこの問題を調査する「百条委員会」を設置することを決めました。
また都議会や都庁内からは猪瀬知事の資金を巡る問題が長引けば都政が停滞し、オリンピックの開催準備やこれから本格化する新年度予算案の編成作業などに深刻な影響が出かねないと懸念する声が強まっています。
こうした状況を受け、猪瀬知事は19日午前、緊急の記者会見を開くことにしており、これ以上、都政運営を続けていくことは難しいとして辞職する考えを明らかにするものとみられます。
猪瀬知事は辞意表明に合わせて辞表を都議会議長に提出する見通しです。
その後、選挙管理委員会に辞表が通知された翌日から50日以内に後任を決める都知事選挙が行われます。
また都の幹部によりますと、猪瀬知事の辞意表明を受けて来週の24日にも都議会が臨時に招集され、猪瀬知事の辞職が正式に決まる見通しです。
これに伴って都議会が18日に決めた百条委員会の設置は見送られる見通しです。
■東京地検特捜部が告発受理へ
猪瀬知事が徳洲会グループから5000万円を受け取った問題で、東京地検特捜部は今後、市民団体から出されていた告発を正式に受理して捜査を始めるものとみられます。
猪瀬知事の資金問題については、大学教授などで作る市民団体が、「公職選挙法違反」や「政治資金規正法違反」の疑いがあるとして、猪瀬知事の刑事責任を問うべきだとする告発状を、東京地検特捜部に提出しています。
公職選挙法は、選挙資金として「寄付」を受けた場合、陣営の出納責任者に報告することや、「選挙運動費用収支報告書」に記載することを義務づけています。
しかし猪瀬知事は、「個人的な借入金」だと主張して、5000万円を受け取ったことを出納責任者に伝えず、収支報告書にも記載していません。
これについて告発は「本当に個人的な借入金なら、5000万円もの大金を、現金で受け取ることはありえない。世間に公表できない『選挙のための闇献金』だ」と批判して、公職選挙法違反に当たるとしています。
さらに候補者が「選挙のための寄付」として、一個人から受け取れる上限を、150万円と定めた政治資金規正法にも違反しているとしています。
特捜部は、徳洲会グループの選挙違反事件の捜査の過程で、猪瀬知事への資金提供を把握し、これまで慎重に情報収集を続けてきましたが、5000万円の趣旨などを徹底して解明する必要があるとして、今後、告発を正式に受理して、捜査を始めるものとみられます。
■作家から都知事に
猪瀬氏は、作家として政治や社会問題について積極的に発言をしてきました。著書「ミカドの肖像」などで日本の近代や権力構造について鋭く切り込みました。
平成19年には当時の石原知事の要請で東京都の副知事に就任、日本道路公団などの民営化に関わった実績が買われました。
去年10月には辞職を表明した石原前知事から後継者に指名されます。
告示日直前に都知事選挙への立候補を表明、433万票余りと過去最多の得票で都知事の座を射止めました。
第7代の都知事に就任した猪瀬知事は、スピード感のある改革を訴えます。真っ先に取り組んだのが2020年のオリンピックとパラリンピックの招致でした。
みずからニューヨークやロンドンなど世界各地を走り回って東京への招致を呼びかけました。
そして迎えた、ことし9月のIOC総会では、招致活動の先頭に立ち、56年ぶりとなるオリンピック開催を勝ち取りました。
猪瀬知事は、選挙での圧倒的な支持とオリンピック招致成功の勢いに乗って都政を運営してきました。
しかし、みずからの金を巡る問題によって大きくつまずきました。(NHK)>
杜父魚文庫

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