14963 政治が変われば これだけ変わる   古澤襄

明日は競馬ファンにとってクリスマスより大事な有馬記念が、中山競馬場で行われる。世界最高峰レースといわれる凱旋門賞で、2年連続2着という惜しすぎる成績をあげたオルフェーヴルの引退レースとあって大いににぎわうことだろう。
 ▼にぎわいといえば、都心の繁華街も久々に活気づいている。某夜、ちょっと一杯が二杯になって終電をのがし、タクシーを拾おうとしたら空車がない。仕方がないのでもう一杯、とあいなったが、ようやくアベノミクスが赤提(ちょう)灯(ちん)の軒先までやってきたようである。
 ▼去年のいまごろは、安倍政権発足直前で、平均株価は1万円を切っていた。オリンピックが再び東京にやってくる、と信じていた人も少数派だった。
 ▼政治がましになれば景気も良くなる、無理筋でも戦略を立てて一生懸命努力すれば夢はかなう、という当たり前のことを思い出させてくれた一年だった。招致の立役者だった猪瀬直樹都知事が、あっけなく失脚したのは余計だったが。
 ▼代替わりした中国と韓国のトップがいろいろとやってくれた一年でもあった。中国の習近平国家主席が防空識別圏をつくれば、韓国の朴槿恵大統領は、安倍晋三首相と会おうともせず、行く先々で日本の悪口を言い募った。
 ▼御両人とも「嫌日家」ぶりを遺憾なく発揮してくれたが、おかげで中国や韓国に幻影を抱いていた日本人をめざめさせてくれた。一昔前なら国会に提出できたかどうかも怪しい特定秘密保護法が、大した抵抗もなく成立したのも御両人と北朝鮮の3代目のおかげである。安倍首相にはこの一年を感謝する意味もこめてぜひ、靖国神社に参拝していただきたい。参拝しなくても日中韓の首脳会談ができなかった以上、無駄な遠慮はもう要らない。
(産経抄)
杜父魚文庫

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