■氷に囲まれて年越し
【シドニー 12月31日 AFP】南極海で厚い氷に阻まれ、1週間前から立ち往生しているロシアの調査船「アカデミック・ショカリスキー(MV Akademik Shokalskiy)」号は、そのままの状態で新年を迎えることになりそうだ。
ショカリスキー号は24日、南極の仏デュモン・デュルビル基地(Base Dumont D’Urville)の東方約100カイリで厚い氷に阻まれて身動きがとれなくなった。
30日には豪政府の砕氷船オーロラ・オーストラリス(Aurora Australis)が、研究者と観光客、乗組員の合わせて74人が乗ったショカリスキー号まで10カイリのところまで近づいたが、猛吹雪に見舞われて引き返した。これまでにオーストラリス号を含め3隻の砕氷船が救助に向かったが、いずれもショカリスキー号に接近できず、失敗に終わっている。
ロシア外務省によると、ショカリスキー号の乗客52人をヘリコプターで中国の砕氷船「雪龍(Xue Long)」へ移送する方針が決定された。雪龍は先にショカリスキー号への接近を試みて失敗したが、その後も近くにとどまっている
■天候回復を待ってヘリで救助
オーストラリア海洋安全局(Australian Maritime Safety Authority、AMSA)は31日、悪天候のためヘリコプターを飛ばすことができなかったため、天候の回復を待って明日にも救助を実施すると発表した。
AMSAによると、すでにショカリスキー号脇の氷上にヘリコプター着陸の目印がマーキングされている。乗組員は今回の救助対象には含まれず、ショカリスキー号に乗っている74人のうち乗組員22人を除く52人を雪龍に搭載されているヘリコプターで救助する計画。
計画では、ヘリで12人ずつ雪龍に移送した後、オーロラ・オーストラリス号の22人乗りバージ船で52人をオーストラリス号に移送する。
オーストラリス号は燃料補給のため南極にある豪ケーシー(Casey)基地に立ち寄る必要があるため、ショカリスキー号の乗客を乗せて豪ホバート(Hobart)に到着するまで1~2週間かかる見込みだという。
ショカリスキー号に乗っているアンドリュー・ピーコック(Andrew Peacock)医師によれば、乗客たちはいら立ちを感じながらも、諦めて救助を待っているという。務めて明るく振る舞おうと船内のバーでは新年を祝うパーティーも企画されている。(AFP)>
杜父魚文庫
コメント