15078 米国株:過去最高値で越年   古沢襄

■S&P500種は1997年以来の大幅高
<(米ブルームバーグ)米株式相場 は上昇し、主要株価指数は過去最高値を更新した。12月の米消費者信頼感指数や10月の住宅価格指数の上昇が好感された。S&P500種株価指数の年間値上がり率は1997年以降で最大となった。
フィリップス66をはじめとするエネルギー株が高い。バークシャー・ハサウェイは保有するフィリップス66の株式約14億ドル相当と同社パイプラインサービス事業の完全所有権を交換する。レンタカーのハーツ・グローバル・ホールディングスは株主の権利を強化するための措置を導入すると発表して買われ、上場来最高値。半導体のマーベル・テクノロジー・グループも急伸。KKRファンド・ホールディングスによる6.8%出資が好感された。
S&P500種株価指数は前日比7.29ポイント(0.4%)高の1848.36の過去最高値。年間では30%高。1999年以来で初めて過去最高値で一年を終えた。ダウ工業株30種平均はこの日72.37ドル(0.4%)高の16576.66ドル。同じく過去最高値を記録した。
バンヤン・パートナーズのチーフ市場ストラテジスト、ロバート・パブリク氏(ニューヨーク在勤)は電話取材に対し、「素晴らしい年だった。これまでの市場の動きに投資家は非常に満足しているだろう」と語った。
■4カ月続いた上昇基調
S&P500種は月間では2.4%上昇し、4カ月連続のプラス。今月13日から27日にかけての3.7%上昇は、2週間の値上がり率としては7月以来で最大。米連邦公開市場委員会(FOMC)は18日、経済成長の見通し改善を理由に債券購入規模を縮小する方針を発表した。3回に及ぶ量的緩和に支えられ、同指数は2009年につけた12年ぶり安値から173% 水準を上げた。
米民間調査機関のコンファレンス・ボードが発表した12月の消費者信頼感指数は78.1と、前月の72(改定値)から上昇した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は76だった。また、10月の全米20都市の住宅価格は前年同月比で上昇し、伸び率はここ7年余りで最大となった。
ダウ平均は今年27%上昇。1995年以来で最高のパフォーマンスとなった。採用30銘柄のうちで年間ベースで下げたのはIBMのみ。増配や自社株買いの増額にもかかわらず、マイナス圏で終えた。
S&P500種の業種別10種 は消費者サービスの41%高を筆頭に、すべてが年間で上昇。上昇率が最も低かったのは6.5%高の通信サービス株。
■「安心というレベルを超えている」
シティグループの米国株担当チーフストラテジスト、トビアス・レブコビッチ氏はブルームバーグテレビとのインタビューで、「買われ過ぎだとは思わないが、今の平穏でスムーズな調子が続くだろうか」と問いかける。
「来年はもっと変動が大きくなり、一部の投資家は尻込みするかもしれない。それは良いことだと言えよう。今のセンチメントは明るくなり過ぎており、安心というレベルを超えている」と述べた。
フィリップス66は3.2%上昇。同社の届け出によると、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイが差し出すフィリップス66の株式数は交換完了時に決まる。
ハーツはこの日10%高。同社の株価に「普段見られない大きな動き」があったとして、株主の権利を高めるためのポイゾンピル条項の導入を取締役会で決定した。
マーベルは4.5%上昇。KKRが出資の事実を開示する前の11月5日、事情に詳しい関係者2人は約5%の株式をKKRが取得したと述べていた。(米ブルームバーグ)>
杜父魚文庫

コメント

タイトルとURLをコピーしました