15120 中国人民解放軍、三大派閥の勢力均衡に変化要因   宮崎正弘

■徐才厚(前軍事委副主任)派と氾長龍派が勢力拮抗の構図
中国政治が「上海派」vs「団派」vs「太子党」の三派鼎立構図であるように、いま、中国人民解放軍は「東北軍」vs「西北軍」vs「江沢民残党」の鼎立状況にあり、なかでも注目は「西北軍」の急進、「東北軍」の中枢派閥形成という新勢力図がでてきた。
天安門事件から四半世紀。90年代の軍は「楊家将」といわれたように楊尚昆、楊白氷兄弟が中枢をしめ、とくに総政治部の要職を寡占していた。
楊兄弟が退任すると江沢民の息のかかった干永波の派閥が躍進した。瀋陽軍区の大勢力を背景に徐才厚がのし上がり、済南軍区閥が総参謀部副部長、武装人民警察政治委員などに出世し、とりわけ瀋陽軍区第十六集団の人脈から幹部に登用された。この「東北閥」を代表するのが現副主任の氾長龍(中央軍事委員会副主任)である。
他方、「西北閥」は前の郭伯雄(前軍事委員会副主因)が代表する。郭人脈からは現国防部長の常万全が居座り、とくに蘭州、新彊、広州軍区の軍人らが、この派閥に組み込まれていった。
現総参謀部長の房峰輝は蘭州軍区第二十一集団軍出身である。
専門家は、この人脈図から推測できることは人民解放軍内部で三派の鼎立が複雑化し、軍区幹部の入り換えが激しい状況にあるとはいえ、「西北軍閥」と「東北軍閥」の勢力均衡状態にあるとしている。
杜父魚文庫

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