この十年間、”地方の時代”を旗印にして杜父魚塾を立ち上げ、岩手県の湯田町と沢内村の町村合併の気運を盛り上げてきた。新しい西和賀町の誕生で一応の目標が達成されたが、西和賀町の行財政が本当の地方の時代にふさわしいものになったかというと、まだ道は半ばという思いが残る。
人口が八千人に達していない西和賀町の現状では、新たな合併を目指して力を結集する時期が遠からず来るであろう。それは岩手県の北上市か、秋田県の横手市と合併して、より大きな地方中核都市に参入することではないか。
地方のことは地方の独自性を保ちながら自主・独立で決めるのが”地方の時代”の目標であろう。外交・安全保障という国家レベルの政策は国政選挙に委ねるが、市民レベルの政策は地方の自主性に任せるのが真の意味での地方の時代である。
その行き着く先は道州制の導入だと思うが、それこそ道半ばで先行きが見えない。むしろ地方から若い層が大都市圏に流れ、地方の疲弊が進行している。
乱暴かもしれないが、地方中核都市構想の旗印を掲げて新しい国造りに取り組む時期に来ているのではないか。
杜父魚文庫
15171 ”地方の時代”はどうなったのか? 古沢襄

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