■北京から韓国紙が伝える
韓半島(朝鮮半島)有事に投入される中国軍の主力部隊である瀋陽軍区が10日から約10万人規模の兵力と戦車など数千台の大型軍装備を動員した大規模な冬季演習に突入した。中朝国境の白頭山(中国名・長白山)とアムール川の間の地域で、厳冬期の機動力と指揮・統制能力を高めることを目的とする総合演習だ。
中国軍はまた、北朝鮮と隣接する渤海湾と西海(黄海)北部で10日から17日まで軍事任務を遂行するとし、関連海域での一般船舶の航行を禁止した。中国は北朝鮮の張成沢(チャン・ソンテク)国防委員会副委員長が昨年末に失脚する前後、韓半島周辺で相次いで陸・空軍の演習を実施した。
中国中央テレビ(CCTV)は11日、瀋陽軍区に所属する第39集団軍(軍団級)が戦車などの機動装備100台以上を動員し、雪が積もった原野を進む場面を報じた。同軍区の第16集団軍は白頭山付近の奥まった地域で手投げ弾の投てきを含む軽火器射撃演習を行った。
CCTVは今回の演習目的として、長距離機動力と実戦能力の向上を挙げた。北朝鮮の新義州と向かい合う遼寧省丹東市から平壌までは220キロメートルしかない。時速40キロメートルの戦車で鴨緑江を越えれば、6時間で平壌に到達可能だ。北京の軍事消息筋は「兵力10万人余りを一度に動員するのは異例だ。北朝鮮で張成沢氏が処刑されて以降の不安な韓半島情勢と関連があるとみられる」と述べた。
瀋陽軍区は中国の七大軍区の一つであり、北朝鮮と国境を接する東北3省(吉林省、遼寧省、黒竜江省)に駐留している。総兵力は約43万人であり、うち15万人を中朝国境地帯に配備している。傘下には第16、23、39、40集団軍を置く。
北朝鮮の突発事態に備えるための重要部隊は、遼寧省の営口、錦州に司令部をそれぞれ置く第39、40集団軍だ。第39集団軍は重武装した機械化部隊、第40集団軍は軽武装した即時対応軍の性格を帯びている。両部隊共に韓国戦争(朝鮮戦争)に参戦した。第39集団軍は昨年12月初めにも約3000人規模で白頭山一帯での厳冬期演習を実施した。
第16集団軍には、中国の戦略核ミサイル部隊である第2砲兵部隊の第51基地が属する。瀋陽にある第51基地は射程距離2800キロメートルの東風3号弾道ミサイルと「空母キラー」と呼ばれる東風21号ミサイルなどを保有しているとされる。韓半島を越え、日本と日本国内の米軍基地が主な標的に入るとされる。
中国は瀋陽軍区を中心に昨年から北朝鮮の緊急事態に備える演習を続けている。昨年11月には渤海湾で陸海空軍約5000人を動員し、海を越える夜間上陸訓練を初実施した。(韓国・朝鮮日報)。
杜父魚文庫
15192 中国軍、白頭山周辺で10万人規模の演習 古沢襄

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