細川護熙元首相は東京都知事に当選すれば、ただちに訪中して日中関係の打開に動くという。側近筋が明らかにした。
細川立候補は、都政よりも国政レベルでの安倍政権批判を鮮明にする色合いを濃くしている。細川氏は脱原発、東京五輪の消極論、日中打開の三本柱で政策対決する意向のようだ。
都政と国政は別と大様に構えていた安倍政権も、否応なしに細川政策との対決を迫られよう。今後、三年間は国政選挙はないことを考えれば、都知事選は安倍政権の支持、不支持を占う国政レベル並の選挙の様相を帯びた。
三本柱を子細にみれば、脱原発はアベノミックスを達成するうえで、即時に原発ゼロというわけには参らない。安倍政権は徐々に脱原発を目指すという点で選挙民に訴えるだろうが、原発ゼロよりも迫力に欠ける。
逆に東京五輪返上論は細川氏の持論かもしれないが、六年後の東京五輪は国際公約となっているので、都知事選の公約にはなじまない。むしろ日本なりの抑えたオリンピックという消極的な五輪政策を打ち出すしかない。日本の伝統・文化を盛り込んだ東京五輪というは、言うは易いが行うは難しい面がある。
日中打開は国民が等しく願うものだが、現状は中国の軍事力拡張がアジア各国との摩擦を生んでいる。それに目をつぶって、日中友好を唱えても結果的には中国の野望を利することになりはしないか。
三本柱は総論として正しくとも、具体論で道筋を明らかにしなければならない。二十日に細川氏は正式に立候補を表明するというが、都民だけでなく日本国民が納得する政策を語る義務がある。
杜父魚文庫
15243 国政選挙並の都知事選になるのか 古沢襄

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